バトル漫画やアニメには、特異な性質をもつ肉体を活かして戦うキャラクターがよく登場する。中には髪の毛を武器にするキャラクターもおり、たとえば『ゲゲゲの鬼太郎』の鬼太郎が戦うときに飛ばす「髪の毛針」などは、見るからに痛そう。
武器として操る以外にも、トリッキーな戦い方もする“髪の毛使い”たち。そこで今回は、髪の毛を利用して戦うキャラクターを紹介しながら、それぞれの戦い方の特徴を見ていきたい。
■『NARUTO -ナルト-』自来也
岸本斉史氏による『NARUTO -ナルト-』(集英社)に登場する、ナルトの名付け親にして師匠でもある自来也は、木ノ葉隠れにおける大蛇丸、綱手と並び「三忍」と称される伝説の忍びの1人だ。その称号が示す通り自来也の忍としての実力は作中でも屈指のものだが、その多種多様な忍術のひとつとして、自らの髪の毛を自在に操ることができるのだ。
髪の毛にチャクラを流して硬質化させたり、増やしたりして自在に動かしているのだが、それも50歳を過ぎているにもかかわらず保たれている豊かな毛量あってこそのものだろう。
そんな自来也が髪の毛を操る術は「忍法・針地蔵」「乱獅子髪の術」「仙法・毛針千本」の3つ。「忍法・針地蔵」は髪の毛を針のように硬質化させて身にまとうことで相手の攻撃を防ぐ術、「乱獅子髪の術」は頭部の代謝機能を一時的に高めて髪の毛を強制的に伸ばす術、「仙法・毛針千本」は硬質化した無数の髪の毛を相手に向かって飛ばす術。髪の毛を操ることで、戦いの中で様々な局面に対処できるのだ。さすがは伝説の三忍と恐れられているだけのことはあると言えるだろう。
■『ジョジョの奇妙な冒険』ブラフォード
荒木飛呂彦氏による『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)には、様々な特殊な能力を持つキャラクターが登場するが、驚くべきことに髪の毛使いも多い。第2部の主人公ジョセフ・ジョースターは波紋を髪の毛に流して針金のようにすることで武器にしていたし、第4部では山岸由花子がスタンド「ラブ・デラックス」の能力によって髪の毛を自由に伸ばしたり動かしたりして生き物のように操っていた。
そして、シリーズで最初に登場したキャラクターが、第1部の主人公ジョナサン・ジョースターの前に立ちはだかったブラフォードである。タルカスと共にディオによって屍生人として蘇ったブラフォードは、自在に動く髪の毛に剣を持たせて攻撃する「死髪舞剣(ダンス・マカブヘアー)」や、髪の毛を絡みつかせて吸血するといった攻撃を次々と展開する。
しかも、髪の毛を操るこの能力そのものは屍生人と化したことで得たものではなく、生前から使っていたというから驚きだ。第1部の頃の『ジョジョ』はまだかなりホラーテイストのある漫画だっただけに、長い黒髪がうねうねと動く様はかなり怖かったのを覚えている。
ブラフォードは剣士としてもかなり強いが、それだけではどこにでもいるキャラクターでしかない。しかし、そこに髪の毛を自在に操るという特殊な能力が加わったことで、かなりインパクトの強いキャラクターになったと言えるだろう。