2023年6月2日、カプコンから『ストリートファイター』シリーズ待望の最新作『ストリートファイター6』が発売される。
名作『ストリートファイター2』がアーケードで稼働してから30年以上がたつ。弱・中・強の攻撃を駆使し、レバーで移動・しゃがみ・ジャンプ・防御を使い分ける。そのシンプルな操作方法は現在も同じだが、現代の最新シリーズをプレイしていると「昔は不便だった」と懐かしく思ってしまう箇所が少なからずある。
シリーズ最新作の発売を記念して、両者を比較してプレイしながら当時を振り返ってみよう。
■試合のメリハリをアップさせた「ステップ」「受け身」
当然、今と昔では試合でのスピード感のメリハリがまったく違うが、「ステップ」と「受け身」がないのがその理由のひとつだろう。
格ゲーにおいて「間合い」は非常に重要な要素。一気に間合いを詰めて相手の技を誘ったり、距離を取ったりして仕切りなおすための「ステップ」は、今や全ての格ゲーに当たり前のように実装されている移動方法である。
しかし、『ストリートファイター2』の時代には「ステップ」は存在せず、間合い管理はもっぱら「歩き」で行われていた。当時は当然不便ともなんとも思っていなかったが、久々に『スト2』をプレイするとついついステップコマンドを入力してしまいそうになる。
また『スト2』当時には「受け身」がなかった。これもまた、今ではどの格闘ゲームでも当たり前のように採用されている動きだ。
格ゲーには、技を当てて相手をダウンさせた後に、相手の起き上がりに技を重ねる「起き攻め」という強い行動がある。「受け身」がない『ストリートファイター2』はダウンしたらダウンしっ放しで、相手の起き攻めを甘んじて受けるしかなかった。
『ストリートファイター6』では、「受け身」でスピード感のある試合が楽しめるだけではなく、相手が受け身を前に取るか、それとも後ろに取るかでアツい読み合いが展開される。ダウン後の駆け引きも、随分と戦術の幅が広がったものだ。
■超必殺技でさらに分かりやすくなったキャラの個性
格闘ゲームといえば、ゲージを消費して発動する「超必殺技」の演出。どれだけ不利な状況でも一発逆転を狙えるロマンあふれるシステムで、キャラの個性を際立たせるものでもあるが、これも『ストリートファイター2』の時代にはなかった。
今では当たり前のようにあるシステムなので、ゲージがないことに逆に違和感を感じるほど。この「ゲージを使った超必殺技」という概念が初めて登場したのは、1994年にアーケードで稼働を開始した『スーパーストリートファイター2X』のスーパーコンボシステムで、初めて使用したときはほとんどのプレイヤーが大感動したに違いない。
『ストリートファイター6』では、「スーパーアーツゲージ」を使った強力な超必殺技「スーパーアーツ」に加えて、「ドライブシステム」と呼ばれるゲージを使った独自のシステムが採用されている。
「ドライブゲージ」を消費して発動する強化版の必殺技の「オーバードライブ」や、ガードしながらゲージを回復する「ドライブパリィ」、通常技をキャンセルしてダッシュができる「ドライブラッシュ」など、豊富なゲージの使い道が存在する。
「スーパーアーツ」を当てることで相手のドライブゲージを削ることが出来たり、ゲージが空になるとキャラが弱体化する「バーンアウト」が起こったりと、ゲージ回りの駆け引きひとつを見ても奥が深そうだ。