■EXILE ATSUSHI:「桜の季節」
2014年8月に登場したのは、ダンス&ボーカルグループEXILEのATSUSHIさんが歌う「桜の季節」だ。
「第81回NHK全国音楽コンクール」で中学校の部の課題曲にもなったこの曲は、ボーカルのATSUSHIが自らの中学時代を思い出しながら書き下ろしたという。
ATSUSHIさんの甘く優しい歌声がピアノとストリングスのアレンジに乗り、誰もが経験する“卒業”という節目を切なく歌った一曲になっている。
切なさのなかにもあたたかい想いが込められており、「中学生が心から気持ちを込めて歌える曲にしたい」という、ATSUSHIさんの想いが伝わってくるバラードに仕上がっていた。卒業式の定番ソングとして、今後も受け継がれていくことだろう。
■クレイジーケンバンド:「スパークだ!」「山鳩ワルツ」
2014年6月に登場したのは、ロックやソウル、歌謡曲など多くの要素を楽曲に取り入れていることでも知られるクレイジーケンバンドだ。
『みんなのうた』で放送された「スパークだ!」は、スローテンポでゆったりと歌う横山剣の渋い歌声に加え、ジャジーな雰囲気が漂うおしゃれなナンバーだ。
“なりたいものは?”、“やり残したことは?”と自問自答しながらも、「スパークだ!」と自分を励ましていく主人公。子どものころに夢見た自分にはなれていないかもしれないけど、今を大切に生きていこうという、大人にも刺さる名曲になっていると思う。
そして初登場から4年後の2018年6月には、「山鳩ワルツ」で『みんなのうた』に再登場したクレイジーケンバンド。横山さんの実体験をもとに書き下ろされたというこの曲は、彼が幼いころ耳にした「クークーポッポー」という鳴き声が“山鳩”のものであるとわかったときの感動を表現している。
ワルツ調のこの曲は、山鳩の鳴き声がコーラスのように散りばめられており、縦横無尽に動きまわるベースラインとおしゃれなキーボードの音色が、なんともカッコいい。まさに、“横山剣ワールド”全開の一曲となっていた。
子ども向け番組であるNHK『みんなのうた』に登場した意外なアーティストたちは、彼らの魅力はそのままに、“子ども向け”という新しい要素を付け加えた名曲を書き下ろしていた。
子どもたちだけでなく、彼らのファンも楽しむことができるこれらの曲たちは、今でもNHK『みんなのうた』のなかで愛され、後世へと歌い継がれていくのだろう。