2023年6月2日、いよいよCAPCOMからファン待望の『ストリートファイターシリーズ』最新作である『ストリートファイター6』が発売。5月19日から22日まで、誰でも無料で参加できるオープンベータが開始となる。
『ストリートファイターシリーズ』といえば、1987年に初声を上げ、90年代に入って『ストリートファイター2』で爆発的な格闘ゲームブームを作った作品。以降シリーズごとに登場キャラやシステムに変遷があったが、ガチで硬派でストイックな対戦ゲームというイメージを持っている人が多いのではないだろうか。
しかし、「初心者はトレーニングモードに籠ってコマンド練習」と呪文のように唱えられてきた格ゲーの常識は、もはや過去のもの。『ストリートファイター6』は、格ゲー離れのユーザーでも、全く格ゲーを触ったことがないという初心者でも、十分に楽しめるように作られていた。今回は「初心者に格ゲーの楽しさを知ってほしい」というメーカーのこだわりが随所に伝わってくる、体験版のプレイレビューをお届けしたい。
■1人用ストーリーモード「ワールドツアー」のクオリティがもはやRPG
格ゲーの1P用ストーリーモードといえば、従来は順番にCPUを倒していくだけのシンプルなものがほとんどだったが、『ストリートファイター6』における「ワールドツアー」はそれとはまったくの別物といっていい。自身で設定したアバターを主人公に、フィールド探索やキャラクタービルドを楽しめる、RPGのような遊び方ができるモードになっている。
対戦ゲームのオマケと侮るなかれ、この「ワールドツアー」の作り込みが本当にえぐい。
始めるとまずキャラクタークリエイトを行うのだが、性別、顔、髪型はもちろん、目や鼻といった顔の細かいパーツから、体つきの詳細、果てはジェンダーアイデンティティまで設定できる細かさ。かなり気合が入っている。
ストーリーとしては、「強さとは何か」という答えを探す主人公が、様々な強敵と戦うという、いかにも『ストリートファイター』らしい展開で、タイトルの通り、デート中のカップルだろうが、仕事中の販売員だろうが、いつでもどこでも誰とでも街中でファイトが出来る。
そうしてストーリーモードを進めていくうちに、格闘ゲームの基本的な操作方法を学べる所も、初心者に優しいポイント。もちろん、過去作のキャラクターたちも登場したり、彼らに師事することで各々の技を習得することもできたりと、過去作のファンも十分に楽しめる内容になっている。
育成は、バトルをこなすことでレベルが上がり、各ステータスにポイントを振り分けてキャラクターを強くしていく王道的なビルド要素があり、バトルスタイルやコマンド技も習得すれば自由に付け替えができ、プレイヤー独自のユニークなアバターを作り出せる。
ただの「シングルプレイモード」と呼ぶにはもったいないほど、RPG作品として見てもクオリティの高い作品になっているように感じた。