■いわずと知れた“未完の名作”!『イタズラなkiss』

 1990年から『別冊マーガレット』で連載された多田かおるさんの『イタズラなkiss』。落ちこぼれでも明るく前向きな性格で愛されキャラの主人公・相原琴子が、入学式で一目惚れしたパーフェクト男子・入江直樹と突然同居することになる“王道ラブストーリー”。

 ドジでおっちょこちょいでも、まっすぐに直樹を想い続ける琴子に勇気づけられたファンは多く、当初は短編のはずだったが、その人気を受け長期連載が実現している。

 しかし、1999年に作者の多田さんが急逝されたため、“未完の名作”となってしまった本作。原作では「琴子の妊娠疑惑(!?)」と、気になるところで終了していることもあり、「続きを読みたい」という声が続出した。

 そんなファンの声が届いたのか、アニメ版では多田さんが遺していた構想ノートの内容をもとに結末が描かれ、明るいラストで締められている。

 少女漫画の王道を描き続けている『別冊マーガレット』を象徴する作品の一つとして、今後も語り継がれる名作だろう。

■教師と生徒の純愛ラブストーリー!『先生!』

 少女漫画において、“ありえない設定”もファンを魅了する。“教師と生徒の恋”もまた、その一つだろう。そんな設定で描かれたのが、1996年から『別冊マーガレット』で連載された河原和音さんの『先生!』だ。

 主人公の島田響は、友人から頼まれたラブレターを教師・伊藤貢作の下駄箱に間違えて入れてしまう。そのことをきっかけに響の恋が始まり、二人が次第に惹かれ合っていく物語だ。

 現実で考えると、教師と生徒の恋は“ありえない設定”なのだが、少女漫画においてはよく描かれる題材でもある。本作も背徳感や秘密にしなければならないドキドキ感が多感な少女たちに受け、人気を博した。

 “禁断の恋”ではあるものの、本作の恋愛自体はいたって“純愛”そのもの。響と伊藤の恋路を密かに応援していたファンは多いだろう。

「登場人物がみんなピュア」と評される作者の河原さん。その後も『高校デビュー』、『青空エール』、『俺物語!!』と数々のヒット作を生み出しており、今や『別冊マーガレット』の垣根を越え、少女漫画界を牽引する名漫画家の一人となっている。

 

 少女漫画雑誌界において、『マーガレット』と『別冊マーガレット』はとくに“王道の少女漫画を取り扱う雑誌”として知られている。そんな作風からか「子どもにも安心して読ませられる」なんて声も挙がっているようだ。

 時代とともに漫画の作風も変わっていくものだが、“少女漫画”の良さを描き続け、数々の名作で“少女漫画の黄金期”を支えてきた『マーガレット』と『別冊マーガレット』は今後も多くのファンに愛され続けるだろう。

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