1963年に創刊された少女漫画雑誌『マーガレット』(当時は『週刊マーガレット』)と『別冊マーガレット』(いずれも集英社)。王道学園ラブストーリー作品が多い本作は中高生をターゲットにしつつも、子どもから大人まで楽しめる作品が多く、時代を超えてファンに支持されている。
小中学生をターゲットにした『りぼん』(集英社)や『なかよし』(講談社)などの読者が『マーガレット』や『別冊マーガレット』に移行していくことも珍しいことではなく、とくに1990年代の“少女漫画の黄金期”を支えた『りぼん』ファンは、同じ集英社出身の雑誌ということもあり、自然と乗り換えることも多かったようだ。
今回はそんな“少女漫画の黄金期”を支えてきた雑誌、『マーガレット』や『別冊マーガレット』の名作たちをご紹介しよう。
■王道シンデレラストーリーの代表作!『花より男子』
神尾葉子さんによる『花より男子』は、1992年から『マーガレット』で連載された。平凡な家庭で育った主人公・牧野つくしが、お金持ちばかりが通う高校へ入学し、恋に青春に奮闘していく物語。
ひょんなことから「F4」と呼ばれる御曹司たちのリーダー・道明寺司に目をつけられてしまったつくしは、この学園においていじめの標的とされる“赤札”を貼られてしまう。
生卵をぶつけられるなど精神的にもつらい描写がある本作だが、本質はシンデレラストーリーで、当時の少女たちはつくしと道明寺、花沢類との三角関係をドキドキしながら見守ったものだ。
ドラマ化や映画化を果たし、海外人気も高い『花より男子』。中高生をターゲットにした雑誌とあって、学園恋愛ものが多い『マーガレット』の代表作とも言えるだろう。
■心に響く感動ストーリー『ホットロード』
紡木たくさんによる『ホットロード』は、『別冊マーガレット』で1985年から連載された。自分の生きる意味や希望を見失っていた主人公・宮市和希が不良少年・春山洋志との出会いをきっかけに“人を愛すること”を知っていく感動ラブストーリーで、2014年に実写映画化も果たし、今も多くのファンに愛されている名作の一つだ。
10代のヒリヒリするような熱情と危うさが描かれているが、まっすぐなラブストーリーで、『別冊マーガレット』の代表作として本作を挙げる人も多いだろう。恋愛だけでなく、家族や友人との人間関係も丁寧に描かれたストーリーが、子どもから大人まで幅広い世代のファンに刺さった。
作中では「暴走族」や「逮捕」など、少々インパクトの強いワードも飛び交うが、ちょうど多感な時代を迎えていた『別冊マーガレット』のファンたちは、ドキドキしながら夢中になって読んでいただろう。