バトル系の漫画では強烈な強さを持つ主人公がいるものだ。そして、そんな主人公と同等の強さを持ちながら、いつの間にかギャグ要素の高いお笑い系に走ってしまうキャラもいる。そんな愛されキャラを、『週刊少年ジャンプ』（集英社）の人気漫画から選出してみよう。
■地上最強のターちゃんと互角…ウポポ族の最強戦士『ジャングルの王者ターちゃん♡』の「アナベベ」
まずは、徳弘正也氏の『ジャングルの王者ターちゃん♡』に登場する「アナベベ」だ。作中ではアフリカでも屈強なウポポ族の最強戦士で、ターちゃんとはヂェーンを取り合って半日間も戦い続けるほどのライバルである。（ちなみに勝負は引き分けだった）
そもそもターちゃんと戦い続けられるだけでも十分強いのだが、下ネタが多い作品だけに、ターちゃんに負けないスケベ全開の戦士でもあるアナベベ。そして、ターちゃんファミリーがピンチのときには駆け付けてくれる心強い味方でもある。
ユンケル帝国編では「ゼブラちゃんちゃこりんマン」として登場し、決勝戦ではマスクを脱いで（部族の掟で敗北は死を意味する）、相手の戦士・カシオに対して真っ向勝負を尽くしていた。
まあ、その後は賞金で事業も成功して成金になってしまったが……。そこからのアナベベはもはや戦士の面影もなくなっていき、ギャグ満載のキャラに変貌。しかし、それがまた面白いので最高といえたものだ。
ちなみにアナベベの妻となるのが、ヂェーン以上の恐妻でもあるズベタだ。アニメには登場しないのだが、この妻が本当に怖い……とはいえ、実は相当な“内助の功”で、アナベベが成功したのも彼女あってこそ。どれだけ金持ちになっても、無駄に浪費をしないのも魅力だった。
そういえば、当時はウポポ語が学校でも流行ったな〜。きわどい言葉も多かったので、今では完全にアウトだろう……。「お気に入りのウポポ語は？」というアンケートがあれば、絶対に盛り上がること間違いなしだと思う。
■仁義に熱い柔道家で困った人を見過ごせない『ろくでなしＢＬＵＥＳ』の「島袋大」
次は、森田まさのり氏の『ろくでなしＢＬＵＥＳ』に登場する「島袋大」だ。米倉商業高校（米商）の番長でありながら、困った人は見過ごせないキャラ。登場人物のなかでは一番好きだったな。
主人公・前田太尊と同じくらい弱者に優しいので、人助けを競うようなやり取りもあったもの。しかし、島袋は柔道の都大会予選で準優勝を経験しているほどの実力者であり、ただケンカが強いというだけでなく、実際に格闘技の有段者（黒帯）でもある。
太尊とは互角の実力ながらも、四天王編や大阪極東編ではどうも格下扱いになっていた。それでも辰吉や鬼塚といった強敵相手にも、果敢に立ち向かっていたものだ。そういえば、なぜか後ろ向きで登場する機会が多かったような……。
番長的存在のキャラとしては一番の人格者であり、後輩からも多数慕われているのは太尊と似ている。ただ、下剤を飲まされて下痢になったり、盲腸の手術後に下半身の写真を渡久地誠二に撮られたり、クリームソーダを頼んだ太尊へおならをかましたりと、完全にギャグキャラ化していったが……。
まあ、どちらにせよ、太尊とは互いにライバルとして認め合っているような関係だったことは間違いないだろう。
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