■「理想の上司」として名が上がるフリーザの統率力

 最後は「理想の上司」としてファンの間でも話題に上がることの多い鳥山明氏による『ドラゴンボール』のフリーザと、彼の率いるフリーザ軍。

 フリーザ軍は銀河系征服を目論む悪の軍団であり、様々な惑星から戦闘能力が高い人材を集めているため、多様な異星人からなる混成部隊となっている。数えきれないほど多くの兵士を抱えるフリーザ軍は、フリーザのカリスマ性で成り立っている組織だといえるだろう。

 まず、フリーザ軍では兵士には揃いの戦闘服やスカウターや装着式のエネルギー銃が支給され、治療のためのメディカルマシーンも存在する。

 充実した福利厚生だけでなく、フリーザは組織のトップでありながら戦闘力の弱い部下の顔まで把握しており、彼らに対しても慇懃無礼ながらも敬語で喋るのが印象的だ。またミスをした部下にも名誉挽回の機会が与えられ、部下を種族や出身で差別しない徹底的な実力主義の組織となっている。

 ここまで羅列をすると、フリーザは怖いが頼れる上司というイメージが湧くだろう。しかし、逆を言えばどこまでも実力主義の組織のため仕事内容はかなりハードで、他の惑星を攻める際には傭兵のように扱われることもしばしば。フリーザ本人はキビキビとした命令を出しており仕事はしやすそうではあるものの、彼の下で働くことはいつも命がけだろう。またミスをした部下に対しては躊躇なく処刑するため、ザーボンやドドリアもフリーザの制裁をかなり恐れていた。

 いつも気が抜けないという意味では、やはりフリーザ軍で働くのはかなりリスクが高そうだ。

 悪の組織にも事情はそれぞれ。組織の内情を知れば、いつも非情な行動をしている彼らに対しても同情の気持ちが芽生えるかも?

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