■タイムマシンを作る天才児『天才バカボン』のハジメちゃん
最後は、赤塚不二夫氏の『天才バカボン』に登場する、天才赤ちゃんのハジメちゃんだ。生まれてすぐに言葉を話せるほどで、ピタゴラスの定理を解説したりできるほどの天才児。
ハジメちゃんの素晴らしいところは、頭が良くてもそれを一向にハナにかけないところ。しかも、タイムマシンまで作ってしまうほどの器量の良さ。う〜ん、兄・バカボンに似ないか心配だ。
ただ、このバカボンももちろん悪い人物ではない。ハジメちゃんが生まれる前は心待ちにしており、実際に誕生したときには涙を流して喜んでいた。となると、むしろ父に似るほうが心配か? ただ、実際に父も天才児だったらしいので、もしかしたらハジメちゃんはバカボンのパパの遺伝子が強いのかもしれない。
とはいえ、このパパはかなり困ったもので、自宅で自分の足跡を見つけて泥棒が入ったと勘違いしているほど。さらに、ハジメちゃんに宇宙の大きさがどのくらいか聞かれ、「後楽園球場」と答えていたりもする。まあ、兄に至っては「不忍池」と回答しているのだが……。
やっぱりハジメちゃんの将来が少し心配なものの、それでも愛情たっぷりの愉快なバカボン家で育てば、きっと優しくたくましい大人になってくれるに違いない。
素晴らしい能力を備えた可愛い赤ちゃんたち。「ばいきんまん」が攻めてきても、ここに登場した赤ちゃんたちなら軽くやっつけてしまうだろう。天使のガッちゃんは「だだんだん」まで食べてしまいそうだが……。いずれにせよ、可愛らしい見た目からは想像できないような活躍を見せる赤ちゃんたちは、いつも読者を楽しませてくれるものだ。