■劇中での「ゴッグ」の活躍は?

「ゴッグ」が初登場したのは『機動戦士ガンダム』の26話で、巡航形態で潜水艦から勢いよく飛び出す姿が迫力満点だった。

 地上戦では、61式戦車や、大口径バルカン砲重装甲車と交戦したが、「ゴッグ」は攻撃を避ける必要すらなく、命中してもびくともしなかった。なので、結果的には難なく返り討ちにしている。

 ガンダム作品全体でも数えるほどしか映像化されていないフリージーヤードの使用シーンもあり、粘性の高い、赤いゲルで全身を包み、機雷を無効化させている。

 対ガンダム戦でも高いスペックを発揮しており、アイアン・ネイルでガンダムの頭部に穴をあけ、アムロの搭乗するガンダムのビームサーベルを至近距離で避け続け、またはハイパーハンマーを正面から受け止める。攻撃面、スピード面、耐久面の全てにおいて、高性能さを見せつけたモビルスーツと言えるだろう。

■「ゴッグ」の弱点は?

 そんな「ゴッグ」だが、結局はガンダムにやられてしまう。深海の水圧にも耐える「ゴッグ」の装甲も、ビーム兵器には弱かったのだ。

 またモビルスーツ外に大量の水があるということが前提の冷却方式なので、地上戦では数時間しか稼働できないという弱点がある。そのうえ、地上戦では水中のように動くことは難しく動きが鈍くなってしまう。

 そんな弱点があったものの、ガンダム、そしてアムロといった、極端に優秀なモビルスーツやパイロット以外であれば優位に立ち回れる性能を持つ。量産型という点を考えると、かなり優秀なモビルスーツではないだろうか。

「ゴッグ」の基礎スペックは高く、水中戦では文句無しの一線級である。地上戦での時間制限は短時間の作戦行動であれば問題は少ない。地上での鈍重さも、厚い装甲でカバーできるので、欠点はビーム兵器に弱いことぐらいだろうか。

『機動戦士ガンダム』の劇中では、ガンダムと交戦後はあまりパッとしない描写ばかりであったが、実際に戦果も挙げているようで、一年戦争の後期には、改修型の「ハイゴッグ」も生産されている。「ゴッグ」は全体的に高性能に仕上がっている、実力派のモビルスーツなのかもしれない。

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