“サン宝石”に“日ペンの美子ちゃん”… かつての『りぼん』『なかよし』など少女漫画雑誌の巻末にあった“懐かしい広告”の画像
『6代目 日ペンの美子ちゃん』(一迅社)

りぼん』『なかよし』『ちゃお』など、少女漫画雑誌の巻末には、乙女心を刺激する広告が掲載されていることがよくあった。漫画を読んだ流れで、何気なく広告のページにまで目を通していたという人も多いのではないだろうか。そこで今回は、少女漫画誌の巻末によく掲載されていた懐かしの広告を振り返りたい。

 

 まずは、小・中学生が買えるプチプラのアクセサリーや雑貨を通信販売していた、“サン宝石”の広告だ。

 限られたページの中に所狭しと掲載されたアクセサリーは、なかには十円ほどのものもあり、とにかく安価だったのが印象的。それでいて、女子児童が好きそうなキラキラやカラフルなものがあふれ、時代の流行もきちんと押さえた商品が販売されていた。

 筆者も広告の魅力につられ何度か通販で購入したが、1つ1つの商品があまりに安くて買いすぎてしまい、結局、合計金額が数千円にのぼることもザラにあった……。

 サン宝石は“大洋商会”として1965年に創業され、当初は印章業の会社だったがジュエリーなどを販売する小売業に転身。もともとは高級ジュエリーも扱っていたものの、のちにターゲットを子どもに絞った商品をメインに販売するようになる。

 そんなサン宝石の名を一躍有名にしたのが、2010年に従業員の思いつきによって生まれたオリジナルキャラクター“ほっぺちゃん”だった。しずく型の顔につぶらな目、そしてキラキラなほっぺが可愛らしい色とりどりのキャラは、小・中学生の間で大ヒット。

 その人気はすさまじく、雑誌『キャラぱふぇ』で漫画が連載されたり、ニンテンドー3DSやNintendo Switchのゲームソフトが発売されたりするほどだった。

 そんなサン宝石の今はというと、新型コロナウイルス感染拡大のあおりを受けたこともあり、2021年に唯一の実店舗だった“ファンシーポケット”原宿店が閉店。現在、経営再建を図っているという。

 少女たちの心をときめかせてきたサン宝石の商品は、今もネットで注文可能。大人でも使える商品も多く展開されているが、今も昔もその価格の安さは折り紙つきだ。

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