漫画やアニメの登場人物の中で、初登場シーンが「ただものではない」という雰囲気を出していたため今後重要キャラになるだろうと期待していたのに、そのキャラが意外にもあっけなく退場してしまい驚いた経験はないだろうか。
作者による意図的なミスリードなのか、それとも主人公の前に立ちはだかる敵があまりにも驚異であることを伝えるための手法なのか、いずれにしても読者・視聴者である我々が呆気に取られる演出なのは言うまでもない。
今回は、これから話を牽引していく重要キャラだと思ったのに、意外にも登場してからすぐ死んでしまったキャラたちを紹介したい。
まずは諫山創氏による『進撃の巨人』。同作では多くの登場人物が新しく現れては、巨人との争いであっけなく短期間でその命を散らしていく。その犠牲者の数は数えきれないので「登場してからすぐ死んでしまったキャラ」をセレクトするとキリがないが、あえて選ぶなら、リヴァイ班の兵士たちがそうだろう。
リヴァイ兵士長が率いる特殊部隊であるペトラ、オルオ、エルド、グンタの4人は、それまで巨人と戦い抜いてきた猛者ばかり。いずれも個性的な性格でなんだかんだ面倒見がよく、はじめは主人公のエレンに懐疑的であったものの、最終的には信頼を結ぶ関係となった。
今後はこの兵士たちとの交流や共闘が続くのだろうと思われた矢先、第57回壁外調査に現れた女型の巨人によってあっけなく全員が戦死してしまう。特に紅一点であったペトラが女型の巨人に踏み潰され、木にはりつけになった状態で死んでいくさまは残酷だった。
大阪にあるテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」では2015年にこのシーンが再現された「進撃の巨人 THE REAL」が開催されたが、あまりに再現度の高いリヴァイ班の死に様はあまりにも悲惨で直視できなかった。
また『進撃の巨人』では、エレンら調査兵団104期の同期であるマルコも、当初活躍が期待されたキャラだった。しかし4巻のトロスト区奪還戦で巨人に半身が食いちぎられ絶命した状態で発見された。マルコはアルミンに次ぐ貴重な頭脳枠だと思われていただけにあまりにも早い退場には誰もが驚いたことだろう。
しかし彼の存在によって、104期生であるジャンの心が成長したのは事実。また、謎の多い彼の死はのちに詳しくその経緯が語られることとなる。
『進撃の巨人』の世界では、どんなに有能な人物でも、命を落とすときは落とすという残酷な現実を見せつけられる。