■あまりにあっけない最後に呆然…

 続いては1996年に放送されたアニメ『機動戦艦ナデシコ』のダイゴウジ・ガイ。彼はエステバリス隊の正規パイロットとして初登場した。

 多少性格に難ありなダイゴウジ・ガイだが彼には存在感とインパクトがあり、これから活躍すると思われた。しかしナデシコが宇宙へ進出した後、脱走していたムネタケに銃で撃たれ、次回の冒頭で死亡したことが語られた。なんとたった3話のことだった。彼の死はサブタイトルの「早すぎる『さよなら』!」の通りになってしまったのだ。

 アニメでは物語の転機となる衝撃的な出来事が3話に起こることが多く、俗に「3話ショック」と呼ばれるが、彼の退場もまた代表的な3話ショックだったといえるだろう。

 さらに悲しいのが、彼の死をアキト以外はあまり悲しんでいなかったことだ。ダイゴウジ・ガイはいろいろな意味で戦争の怖さや虚しさを実感させるキャラとなった。

■『鬼滅の刃』で日本中に感動を巻き起こしたキャラも登場シーンはたったの3巻

 最後は吾峠呼世晴氏による『鬼滅の刃』より印象的なキャラクターを紹介。2020年に公開され、日本映画史に残る大ヒットを記録した『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』で大活躍した炎柱の煉獄杏寿郎は、実は炭治郎の前で戦いっぷりを見せたのは無限列車編のみである。

 それまでの登場シーンは、炭治郎らがお館様の元へ連れてこられたシーンと柱による柱合会議のシーンのみだったので、無限列車編で見せた激しい戦いぶりの割には煉獄の登場シーンはかなり少ないのだ。

 特にアニメや映画で活躍が詳しく描かれ、補完されたシーンも多かったアニメ版と違い、原作漫画を読んでいた人にとっては、より「登場してからすぐ死んでしまった」と感じるキャラであることだろう。彼の登場シーンは全23巻のうち、6巻から8巻までしかない。

 しかし彼が短い登場期間の中で、『鬼滅の刃』という物語と炭治郎の心を牽引したのは間違いない。悲しいことだが、彼の退場がなければ炭治郎らのここまでの成長もなかっただろう。それでも、ファンとしてはもっと「活躍する姿を見たかった」と思わずにはいられない。

 キャラクター設定がしっかりしていただけに、上記のキャラクターたちが登場後、比較的早い段階で死んでしまった時には驚いた。いずれも個性的で魅力的なキャラばかりなので、彼らが活躍するアナザーストーリーももっと見てみたいものだ。

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