■ドラマ版のほうがより強烈?『LIAR GAME』のフクナガ
最後は、甲斐谷忍氏による漫画が原作で、戸田恵梨香と松田翔太主演でドラマ化もされた『LIAR GAME』より、原作漫画ではニューハーフとして登場した福永ユウジ(通称フクナガ)を紹介したい。
当初は別の人の名前を名乗って参加していたフクナガは、狡猾な性格と金への異常な執着が特徴で、何度も主人公・神崎直(ナオ)たちを裏切った。
とくにドラマ版で鈴木浩介が演じたフクナガは印象的である。こちらはキャラ設定が男性に変更されているが、メガネとカラフルな衣装、マッシュルームカットが特徴の濃いキャラだ。
フクナガは自分の利益のために他者をだまし、ここぞという場面でヨコヤと共謀してナオと秋山深一(アキヤマ)をピンチにおとしいれた。さらに最後には裏でつながっていたヨコヤまでもを裏切り、一億を手にするシーンも……。
本作のドラマ版が人気になったのは、個性的なフクナガの活躍(?)があったからといっても過言ではない。ゲスとしか言いようのない表情で「ナオちゃん、君はホンットに、バァカだよねぇ!!」と叫ぶシーンが、印象に残っている人も多いはずだ。
平気な顔で裏切りを繰り返すキャラの行動には、読者もどうせまた何かをやらかすだろうと呆れているかもしれない。しかし逆に、そのすがすがしい裏切りの数々に「次は何をやらかすのか」と、つい期待してしまうのもまた事実だ。