■まさか勝つとは! “皇帝”真田と越前の壮絶な一戦
最後に紹介するのは、関東大会のラスボスである“皇帝”真田弦一郎に主人公の越前リョーマが立ち向かう一戦(原作コミックス26、27巻収録)である。真田は作中で“日本中学テニス界で間違いなく一番強い男”と評されており、スーパールーキーの越前にとって手強い相手だった。
越前は開幕から全開で挑み、“無我の境地”を使って数々のライバルの技を真田にぶつけた。しかし相手は、そのすべてをなぎ倒してきたような男。真田の奥義“風林火山”の超高速ショット“風”などを前に、越前は苦戦を強いられる。
その様子を見ていた山吹中の千石は、越前が潰れることを危惧し「これ以上続けさせる事に意味は無い!」とコメント。しかしそんな彼に対し青学メンバーは声を揃え、越前の口癖である「まだまだだね!」という言葉を言い放つ。手塚が想いを託した彼のことを、チーム全員が信じていたのだ。
その言葉通り、越前は“風林火山”を攻略して真田を猛追する。クライマックスでは、真田渾身のトップスピンロブに対し、なんと審判台を踏み台にして大ジャンプ。その後凄まじい回転を掛けてイレギュラーバウンドを発生させる打球“COOLドライブ”で決着をつけた。
メタ的にいえば、青学はすでに全国行きを決めていたため、越前はここで負けるかとも思われた。しかし結果はまさかの大勝利で、最後まで展開の読めないアツい試合だった。
今回取り上げた試合はどれも、キャラの対比やプレイスタイルなどが見ごたえがあり、それでいてかなりのハイテンポで話が進む。このほかにも、関東大会編では乾・海堂VS宍戸・鳳のダブルスや、不二VS切原の試合も面白い。あなたが手に汗握った『テニスの王子様』の試合はどれだろうか?