2005年の『ロックマンエグゼ6 電脳獣グレイガ/ファルザー』以来、18年越しのリマスターとして『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション』(以下、アドバンスドコレクション)が発売された。
『ロックマンエグゼ』(以下、エグゼ)シリーズは、インターネットが飛躍的に進化した社会が舞台。プレイヤーは主人公の光熱斗と、彼を手助けする“ナビ”というプログラムのロックマンを操作し、各地で起こるネット犯罪に立ち向かっていく。
バトル面で言うと、3×3マスのエリアを自由に動き回るアクション要素や、攻撃から防御、回復など多彩な能力を持つ“チップ”を使って戦略を立てるカードゲーム要素などが特徴だ。チップは10秒毎に移行できるカスタム画面で選び、プレイヤーはその後の戦い方や立ち回りなどを考えていく。シリーズによっては、“スタイル”や“ソウルユニゾン”といったロックマン自体の性能を変化させる要素も追加され、戦術のバリエーションもどんどん増えていった。
2001年に発売された第1作から、2005年の『ロックマンエグゼ6 電脳獣グレイガ/ファルザー』までに『エグゼ』シリーズは6作、全10タイトルが登場。現在も同シリーズに対する人気は根強い。今回『アドバンスドコレクション』が出たことで、第1作から6作までの全10タイトルをPS4やSwitchといった現行機でも遊べるようになった。
インターネットが飛躍的に進歩した世界を舞台にしているという原作の設定が現代向けであることはもちろんだが、それに加えて、当時は専用のケーブルが無ければ難しかった対戦がインターネットでできるようになったことも大きい。『アドバンスドコレクション』は18年の空白を感じさせない売れ行きのようで、本作のパッケージ版は各地で売り切れが続出。これには公式ツイッターアカウントも反応し、4月下旬に再出荷することをファンに報告している。
パッケージ版「 #エグゼアドコレ 」好評につき品切れが多く発生しております、申し訳ありません!
— ロックマンシリーズ公式 (@ROCKMAN_UNITY) April 21, 2023
4月下旬の再出荷へ向けて頑張って生産中です!
気になる方はお近くのショップ様へお問い合わせ下さい。
※予約等取扱いのないショップ様もございます、ご了承ください。
https://t.co/e63KA6SKdk pic.twitter.com/t6iGUmTPLU
本稿では、そんな『エグゼ』シリーズでもお手軽かつ圧倒的な性能を持つ“バランスブレイカー”たちをいくつかピックアップして紹介しよう。
■プリズムコンボ:ロックマンエグゼ2
これは、当たった攻撃と同じ分のダメージを周囲に拡散させる置き物を置くプリズムと、タネを投げ込むと一定時間後に敵を攻撃するフォレストボムというチップを組み合わせたコンボ。あらかじめ置いたプリズムに対してフォレストボムを投げ込むと、超高速で攻撃が反射され続け、合計で数千以上のダメージをばら撒く。周囲1マスに攻撃を拡散させるというプリズムの仕様上、プリズムは敵エリアの中央に投げ込むのがセオリーだ。
プリズムによって反射された攻撃を受けても相手は仰け反らないため、一定時間無敵状態になれるインビジブル状態が発生しない。その結果、乱反射された膨大なダメージをすべて受けることになる。
あらゆる敵を一瞬で倒せる凶悪なコンボで、『エグゼ』シリーズを象徴するバランスブレイカーと言える。
3月27日に公開された『アドバンスドコレクション』のWEBCM「あの頃のネットバトラーたち アニメ篇」では、このコンボを使う小学生の姿が一瞬だけ映っていることがツイッターで話題に。懐かしく思う人が多かったようで、「プリズムコンボ」がトレンド入りまで果たした。
なお公式ブログによると、『アドバンスドコレクション』では調整が入り、対戦モードではプリズムの発生時間を短縮、ダメージを受けた際に相手が仰け反って無敵時間が発生するようになった。ちなみにストーリーモードでは当時の仕様がそのまま残っているため、プリズムコンボの壊れぶりをいつでも楽しめる。
■フォルダリターン:ロックマンエグゼ3 ブラック
『ロックマンエグゼ3』にはホワイトとブラックという2種類のバージョンがあるが、「フォルダリターン」はブラック版限定のチップ。
『ロックマンエグゼ3』以降のチップはスタンダート、メガ、ギガといったクラスに分けられているのだが、これらを一定のルールの下で30枚組み合わせたものがひとつのフォルダとなる。フォルダリターンを使うと、このフォルダに設定してある30枚のチップがすべて戻ってくるのだ。
これまで使ったチップがまるごと戻ってくるため、態勢を立て直すのはもちろんのこと、強力なチップやコンボをもう一度使って相手を追い詰める際にも役立つ。とくに重要なのは、フォルダリターンを使うとフォルダリターン自体も戻ってくること。つまりフォルダリターンを使えば、復活したフォルダからいくらでもチップを再利用できる。
その性能のためか、当時の大会ではフォルダリターンの使用回数は1回までというルールが設けられた。