■「ルパン音頭」は聞くことができるか
今回の『ルパン三世 ルパンVS複製人間』放送は4月7日に発表されたが、そのときネットでは「ルパン音頭」についての反応も数多く見られた。
前述したような大胆かつ最先端なアイデアを、スタイリッシュなキャラクターで描いているカッコいい本作に魅せられていると、我々はエンディングで三波春夫と出会うことになる。
『ルパン三世 ルパンVS複製人間』は意外なゲスト声優が出演した作品で、大統領役に赤塚不二夫氏、書記長役に梶原一騎氏、そしてエジプト警察署長役として国民的歌手である三波春夫が出演しており、同時にエンディング曲「ルパン音頭」を歌い上げているのだ。
シリアスな世界観の本作で、この「ルパン音頭」はひかえめに言っても、ものすごいインパクトがあった。この国民的歌手の採用については、監督のアイデアではなく、製作会社である東京ムービー新社(現:トムス・エンタテインメント)の当時の社長である藤岡豊氏の提案(ゴリ推しに近かったという説もある)だったのだが、一歩間違えると、作品のクオリティを台無しにしかねないパワーを持つこの名曲が、今作を忘れがたいものにしているのもまた事実である。
何せ、一度聞いたら、忘れられない曲だ。ツイッターでも『ルパンVS複製人間』といえば「ルパン音頭」と認識している人は多く、「三波春夫のルパン音頭が楽しみ」「三波春夫のルパン音頭は良いぞ」といった反応があった。だが、放送での「カット」についての心配もあるようで、「ルパン音頭は流れるんです?」「ルパン音頭はちゃんと流していただきたい」「エンディングのルパン音頭までしっかり放送してと願うばかり」とつぶやく人も多かった。
1978年に公開された映画だけあり、本作の過去のテレビ放送では放送禁止用語を用いたセリフやプライムタイムにそぐわないシーンがいくつかカットされている。今回の放送ではどこがカットされ、そして「ルパン音頭」はどうなるかファンとしては気になるところだろう。
なお個人的な「攻め」ポイントでもある、本作の一番好きなセリフは、次元大介による「フリチンとかいう野郎は、おまえか?」というもの。今回の放送でハマった人にはぜひオリジナル版も見ていただきたいところだ。