■近年の大ヒットキャラ「すみっコぐらし」
さて、最後に紹介したいのが2012年に生まれた「すみっコぐらし」だ。すみっこがおちつく「しろくま」「ぺんぎん?」「とんかつ」「ねこ」「とかげ」の仲間たちで、 キャラクターの大半はコンプレックスを抱えるために少しネガティブな性格だ。
大人気のすみっコぐらしは2019年に『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』が公開されており、こちらが泣ける映画として大ヒット。子どもだけでなく、大人も楽しめる深い映画として大きな話題を集めた。
このように並べてみると、サンエックスのキャラには、いかにも子どもたちが好きそうなカラフルな色使いで明るいキャラも多い一方で、静かさを感じるデザインやカラーリングの地味さ、設定の暗さを感じるものも多くヒットしているということだ。無表情や口のないキャラがヒットすることもかなり多い。
それはサンエックスのキャラたちが、押しつけがましい明るさでなく、そっと我々に寄り添ってくれるような安心感のある存在だということ。だからこそ大人にもウケ、長く愛されているのだろう。
サンエックスからは、これからも他社とはちょっと違った個性的で長く愛されるキャラクターがたくさん生まれそうだ。