老若男女に愛され、Netflixではストップモーション・アニメーションも配信されている人気キャラクター「リラックマ」。リラックマは、当時サンエックス社に籍を置くコンドウアキ氏によってデザインされた、背中にファスナーがあり中身や正体はわからないという、のんびりしたクマのキャラクターだ。
2003年9月に、グッズの販売が開始され、2023年で記念すべき20周年を迎える。
リラックマの魅力は、背中に謎のファスナーがあったり、いつもだらだらしていたりと、ただのかわいいだけのクマではないところ。そんなのんびりした姿にこちらも癒されホッと一息つけるのだろう。
1932年に設立したサンエックスには、リラックマ以外にも、かわいらしいだけではない個性的なキャラが多い。
もともとサンエックスはキャラクター事業ではなく文具雑貨などの製造販売を行っていたメーカー。多くの小学生が、筆箱の中にサンエックスのキャラが描かれたグッズを1つは忍ばせていたことだろう。
今回はサンエックスが生み出した、懐かしの個性的なキャラクターたちを紹介したい。
まず、同社のキャラではじめにヒットしたのが1998年に誕生した「たれぱんだ」。鉛筆で描かれたような柔らかいタッチの、モノトーンのパンダのような生き物で、その特徴はなんといってもいつもだらんと垂れているところだ。
口がないので表情や思考は推し量れず、セリフなどもいっさいない。仰向けやうつ伏せに寝転がっている様子がデフォルトで、転がっての移動速度は時速2.75メートルだという。
当時のたれぱんだ人気はすさまじく、人気のピークである1999年には、社会現象としてワイドショーなどで取り上げられたほどだった。クラスの中で、文房具やぬいぐるみを持っていない人はいないというほどの知名度を誇っていた。
そんなたれぱんだ人気の波も消え去らないうちに登場したのが1999年の「こげぱん」。その名の通り焦げたパンのキャラクターで茶色く丸い顔に、いつも体育座りをしている様子が懐かしく思い出される。
こげぱんはもともと1日限定20個で売り出されるはずだったエリートあんパンだったが、パン焼き釜から出される時に1個だけ釜の中に落ちてしまい、今のような焦げた姿になってしまった。そのショックから目は白目となり、いつも「どうせ…」というような投げやりでネガティブな性格になってしまったのだ。
おもなターゲットとなる子どもたちは元気なキャラやカラフルな色を好みそうなものだが、こちらも大ヒットを記録。こげぱん以外にも焦げていないキレイパンやこげ仲間などもおり、その奥深い世界観でアニメや絵本、ゲームにまでなった。