■卑怯の代名詞「勝てばよかろうなのだァァァァッ!! 」のカーズ
第2部に登場するカーズも、「勝てばよかろうなのだァァァァッ!! 」というセリフが象徴する通り、なりふり構わない卑怯なキャラだ。
カーズは圧倒的な実力を持ちながらも、決して正面からは戦わない。リサリサと正々堂々1対1の勝負に挑んだと思いきや、影武者を使って不意打ちをするシーンはとくに衝撃的だった。その直前がジョセフとワムウの真っ向からの激闘だっただけに、余計にその卑劣さが際立つ。
ちなみにこのシーンまでには、子犬が車に轢かれそうなところを助けたり、花を踏まないように配慮したりと、実はカーズっていい奴かも?と思わせる描写も。そんな読者の期待を裏切る豹変ぶりは、逆に見事だった。
もちろん、カーズからすれば人間は食料も同然なので、わざわざ約束を守る義理もないのかもしれない。その後のジョセフとの戦いでもリサリサを人質に取るなど、ブレない卑怯っぷりを発揮。戦いのさなかでエイジャの赤石を利用して“究極生命体(アルティミット・シイング)”になり、ジョセフたちを絶望の淵へ叩き落とした。
しかし最後は火山の噴火とジョセフの機転によって、カーズは地球から追放されてしまう。ほぼ絶対零度の世界で凍り付き、不老不死ゆえに死ぬこともできず、あの有名な「そのうちカーズは 考えるのをやめた。」という、悲惨な末路をたどることに。
とはいえカーズの卑怯な振る舞いも、仲間の死を無駄にしないよう確実に自分の目的を果たすためのものだと考えれば分からなくもないのだが……。
今回紹介したキャラは、いずれも見ていてイラッとしてしまうくらいの外道だ。だがこうして見てみると、彼らは最終的にはただ死ぬより悲惨な仕打ちを受けている。最後にはちゃんとスカッとできるので、ある意味バランスが取れているのかもしれない。