■命中すれば星屑と化す 砲身90mからの「メガ・ビーム砲」

 最後に『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場した、「メガ・ビーム砲」を紹介したい。

 こちらはコウ・ウラキが乗るガンダム試作3号機“デンドロビウム”に搭載された武装で、全長は90mにも及ぶ。100m走のスタートラインに座すデンドロビウムを想像すれば、その巨大さがなんとなくイメージできるのではないだろうか。とにかく巨大なものが好きな人であれば、このイメージだけでもワクワクすること間違いなしだ。

 もちろんその威力は絶大で、アナベル・ガトー搭乗のノイエ・ジールと対峙した時は、75mを超える大きさを誇るノイエ・ジールをIフィールド越しでもノックバックさせたほどの威力。さらに印象的なシーンといえば、母艦をなくしたシーマ・ガラハウが駆るガーベラ・テトラとの戦闘シーン。コウの上方からビーム・マシンガンを乱射しながら猛スピードで突撃してくるガーベラ・テトラに対し、砲身をコックピット部分に突きつけ、そのままゼロ距離で砲撃、撃破した。

 90mという長さゆえ取り回しが悪く、間合いに入られてしまえば使い道を失う「メガ・ビーム砲」。短所の方が多そうに見える武器ではあるが、ただその太くまっすぐな砲身が宇宙空間を360度切り裂く姿からは、ロマンを感じずにはいられない。

 

 その規格外のサイズゆえに代償の大きさも否めない『ガンダムシリーズ』の超巨大火器たち。弱点を残しつつも“火力に全振り”したその無骨さこそがロマンであり、モビルスーツの多様性でもある。ガンダムが長く愛され続ける要因の一つと言っていいだろう。

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