江口拓也
江口拓也
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 魔法が使えない少年・マッシュが魔法学校に入学し、鍛え上げた己の肉体を武器に魔法エリートたちを打ち負かしていくファンタジー作品。魔法と肉弾戦が融合したド派手なアクションに加え、天然なマッシュが巻き起こすシュールなギャグも魅力で、シリアスとコメディが融合した作風が人気の秘訣。4月7日(金)からのTVアニメ放送を記念して、オレンジ髪のムードメーカー、ドット・バレットを演じる江口拓也さんのインタビューをお届け。

■ドットを演じると、充実感が得られる!?

ーー原作漫画をお読みになった印象はいかがですか。

オーディションの際に読ませていただいたのですが、とにかくテンポがよくて、当時出ていた最新刊までをスルッと読んでしまいました。バトルやシリアスなドラマもありますけど、やっぱり根底にはギャグやコメディの要素が強くあって、お芝居でもそういうところをしっかりと拾わないといけないなというのは感じました。

ーー王道の魔法ファンタジーのなか、マッシュが筋肉のみで戦うという世界観はいかがでしたか。

ファンタジーは個人的にも好きですし、展開も痛快で好きですね。甲本(一)先生はなんで「魔法」と「筋肉」を組み合わせようと思ったのか(笑)。あらためてその発想が面白いなと思います。

©甲本 一/集英社・マッシュル製作委員会
©甲本 一/集英社・マッシュル製作委員会

ーー江口さんが演じるドットについては、どんな印象をお持ちですか。

みんなから愛されるおバカキャラの代表のような存在ですね。とにかく感情の起伏が激しくて、アニメでも表情がくるくると変わるので、役者としてはかなり演じがいがあります。僕はメインキャスト5人のなかで年は一番上になるのですが、誰よりも喉を酷使していると思います。毎回「喉から血が出るんじゃないか?」って思うくらい変な声を出しているんですけど、おかげでスタジオを出る際は「今日は仕事したなー」って充実感があって(笑)。そのくらいエネルギーを必要とするキャラクターではあるんですけど、僕ももっと限界まで挑もうという気持ちにもなりますし、やっぱり演じていて楽しいですね。

ーーご自身とドットで似ているところはありますか。

僕はあまり自分からガンガンいくタイプではないので、表面上は正反対ですね。ただ小学生くらいのころって、自分のことをヒーローだと思ったり、あるいはそういうものに憧れる時期は誰しもあるじゃないですか。僕は田舎育ちで周りに山がたくさんあったので、よくインディ・ジョーンズ的なノリで冒険ごっこをしていて、その時の僕はドットに似ていた気がします。大人になるにつれて世間に打ちのめされてどんどんと大人しくなっていった僕ですけど、ドットは今でも少年のまま、自分が主人公だという感覚を貫き通していて、そこは彼の強さだし、魅力だなと思いますね。

■「怒り」と「泣き」よりも「笑い」は難しい

ーー収録の雰囲気はいかがですか。

作品がコメディなので、現場の空気感も和気あいあいというか、とても和やかです。とくにマッシュ役の(小林)千晃君とフィン役の(川島)零士君の2人が温かい雰囲気を作ってくれていたので、僕としてもスッと入って馴染むことができました。ありがたかったですね。

ーーマッシュはボケ専門、フィンがツッコミ専門なのに対して、ドットはボケもツッコミもどちらも忙しいキャラクターですよね。

そうですね。最初はボケとして入っていくんですけど、何しろマッシュという大ボケが控えていますから、結局はツッコミに回ってしまうんですよね。

©甲本 一/集英社・マッシュル製作委員会
©甲本 一/集英社・マッシュル製作委員会

ーーコメディ芝居のテンポというのは独特のセンスが求められると思います。江口さんはお笑いなどは好きなタイプですか。

好きです。最近はあまり見れていないですけど、昔はテレビのバラエティ番組も大好きでした。自分が表現の仕事をするようになって感じたのは、誰かを怒らせたり泣かせたりすること以上に、笑わせる空気作りって本当に難しいなって感じることが多いんです。その点、お笑い芸人さんやタレントさんはみんなで協力しながら笑いの空気感を作り上げていくじゃないですか。その技術は本当にすごいなと尊敬します。

ーーではバラエティ番組などから勉強することもあるんですか?

ありますね。今でも時間があれば漫才やコントなどを見て「こういう時はこうすればいいのかな?」って考えたりすることもあります。僕がそのまま真似しても成功する訳ではないですけど、でも参考になるところもあると思います。

■寝なくても元気な魔法が欲しい

ーー本作は魔法ファンタジー作品ですが、江口さんならどんな魔法を使ってみたいですか?

作中には登場しませんけど、「寝なくても元気に過ごせる魔法」があったら使いたいです。寝ている時間ってもったいないじゃないですか。とはいえ、ベッドに入って寝るまでの時間は好きだったりもするので、意識を失っている時間を短縮したいです。5分寝るだけで8時間睡眠と同じ効果が得られる魔法とかがあったら、もう最高ですね。

©甲本 一/集英社・マッシュル製作委員会
©甲本 一/集英社・マッシュル製作委員会

ーーコメディに限らず、アクションやシリアスなドラマも融合した本作ですが、改めてアニメの面白さはどんなところにあると思いますか?

魔法を駆使したバトルシーンは個人的にも楽しみです。ついさっきまでコメディをやっていたかと思えば、次の瞬間には本気のバトルを繰り広げたりするので、そのメリハリやギャップは魅力だと思います。しかも、魔法がかっこよく描かれれば描かれるほどそれがフリとなり、筋肉で打ち勝つというオチが生きてくるんですよね。それで言えばこの作品は、漫才で言うところのフリとオチをすごく丁寧に見せてもらっているなと思いますし、それがこの作品の最大の見どころだと思います。ぜひご覧いただければと思います。

《プロフィール》
えぐち たくや
5月22日生まれ、東京都出身。2008年に声優デビュー。12年に「第6回声優アワード」にて新人男優賞を受賞。主な出演作に『機動戦士ガンダムAGE』(アセム・アスノ)、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(比企谷八幡)、『俺物語!!』(剛田猛男)、『王様ランキング』(ドーマス)、『SPY×FAMILY』(ロイド・フォージャー)など。

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