1979年のアニメ『機動戦士ガンダム』からスタートし、現在も最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』が放送中のガンダムシリーズ。各作品に登場するMS(モビルスーツ)は子どもから大人まで幅広い層に愛され、プラモデルが品薄状態となるほどの人気だ。
シリーズの代表的なMSといえばガンダムだが、なかには一番好きな機体として「ザクII」を挙げる人も少なくない。ザクIIは『機動戦士ガンダム』の敵勢力であるジオン公国軍が開発した量産型のMSで、国力に劣るジオン公国が連邦軍と戦争を継続できた理由のひとつ。
作中での登場回数が多く活躍の場も数えきれないザクIIは、コスト面やメンテナンス面も非常に優秀で、ほかのMSにパーツを流用されているという設定がある機体でもある。そこで今回は、ザクIIのパーツを流用して開発されたMS・MA(モビルアーマー)をいくつか紹介したい。
■ジオン軍の癒やし系!ずんぐりボディが人気
まずはアニメ『機動戦士ガンダム』に登場したアッガイ。ジオン公国軍が水陸両用機として低コストで開発した量産型MSだ。
アッガイは、ザクIIの動力炉である熱核反応炉を2基搭載しているが、資料によってはそのほかにも多くのパーツをザクIIから流用しているという設定も書かれている。
ザクIIとは似つかない、4頭身ほどの全体的に丸みを帯びたずんぐりしたボディで、純戦闘用かと思いきや得意分野は偵察任務。本編第30話「小さな防衛戦」では、シャア・アズナブル率いる特殊部隊がアッガイ4機で連邦軍基地のジャブローに潜入する場面があった。最終的には潜入工作は失敗し、アムロ・レイが搭乗するガンダムに4機とも撃墜されるが、シャア専用ズゴックの活躍もあり強いインパクトを与えた。
アッガイはもともとは訓練用に開発されたMSであったともされている。サンライズ監修の『機動戦士ガンダム 公式百科事典』でも、ゴッグやズゴックといったMSは高価で、訓練パイロットが乗るアッガイはジェネレーター出力を抑えた廉価版だと書かれているが、作中での目立ち具合を振り返ると非常にコスパの良い機体と言えるのではないだろうか。
なお、近年では独特のフォルムが人気を浴び、アッガイのバリエーションである「ベアッガイ」のように癒やし系マスコットのような活躍も見せている。