■ツギハギだらけのMSだがソロモンの悪夢をサポート

 続いては『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』から「ドラッツェ」。ジオン軍残党のデラーズ・フリートが所有する宇宙用のMSだ。

 正規軍とは呼べないデラーズ・フリートは物資不足に悩まされており、さまざまなパーツを寄せ集めて開発したのがドラッツェ。損傷が激しかったり建造が間に合わなかったりしたザクII F2型の胴体をベースに開発され、ガトル戦闘爆撃機のパーツを流用して組み上げられている。運動性能は高くないが、脚部はスラスターに換装されているため推進力は高い。

 連邦軍の観艦式を襲撃するデラーズ・フリートの作戦では、「ソロモンの悪夢」ことアナベル・ガトーが連邦軍から強奪したガンダム試作2号機で核を撃ち込むのがポイント。その陽動部隊としてドラッツェを含むデラーズ・フリートの部隊が連邦軍に戦いを仕掛け、見事陽動の役目を果たした。

 なお、急造品とも呼べるドラッツェだったが、このあともアクシズ軍(劇場版『機動戦士Zガンダム』)やネオ・ジオン軍残党の袖付き(『機動戦士ガンダムUC』)にも使用されている。

■見たままのザクパーツ!山を消し飛ばすMA

 最後は『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場するアプサラスシリーズ。ガンダムファンで「ザクパーツ」といえば、アプサラスを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。アプサラスはジオン公国軍が開発した試作型のMAで、反則じみたメガ粒子砲を搭載している。作中では、アプサラスIからアプサラスIIIまで登場した。

 先に紹介したアッガイやドラッツェのように「実は」というレベルではなく、見たままにザクIIの頭部が取り付けられているのが特徴。巨大なボディにちょこんとザクIIの頭が乗っかっている様子は、なかなかにシュールでインパクトがある。それほどザクIIのカメラ性能が高かったと推察される。

 作中では第4話「頭上の悪魔」にアプサラスI、第6話「熱砂戦線」にアプサラスII、そして第10話「震える山(前編)」からアプサラスIIIが登場する。アプサラスIとIIに大きな活躍シーンはないが、アプサラスIIIは連邦軍部隊を半壊させ、山を消し飛ばす。圧倒的な威力を見せるその様子は戦慄ものだった。

 宇宙世紀の世界で考えるとザクIIは歴史的なMSであり、いくつものMS・MAに流用されたのも納得である。そもそもザクのバリエーションが多かったり、ザクIIIやギラ・ドーガなどの後継機が開発されたりしており、トータルバランスとして非常に優れているのがわかる。ガンダムやジオングのようにワンオフの機体ももちろんかっこいいが、ファンの間でザクIIを始めとする量産機の人気が高いのも納得だ。

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