■偉大な父の血を継いだ“侍”に! 『ONE PIECE』光月モモの助

 1997年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が開始された尾田栄一郎氏による『ONE PIECE』。「ワノ国編」でルフィたちと出会う少年・光月モモの助こそ、作中で驚くべき成長を遂げたキャラクターだ。

 モモの助は茶筅髷を結わえ、自身のことを「せっしゃ」と呼ぶ、ワノ国ではいたって普通の少年である。しかし、その正体は元ロジャー海賊団の船員にして「ワノ国編」の根幹に関わってくる英雄・光月おでんの一人息子だった。

 いわゆる“大名家の跡取り”ではあるものの精神的に未熟な部分も多く、自身が子どもであるということを理解したうえで女性に抱きつくなど、ちゃっかりしたお調子者の一面もある。

 登場時は実に非力極まりないモモの助だが、なんと作中で一気に大人の姿へと変貌する。大人になったモモの助は長く荒々しい黒髪をなびかせた恰幅の良い青年の姿をしており、太く凛々しい眉毛と力強い眼差しは、まさに父・おでんを彷彿とさせる。

 また、大人になったことで彼の持つ“能力”も急成長。ルフィらとともに宿敵・カイドウと戦うことを決意していた。

 幼いながらも、信念を心の奥に秘めたモモの助。肉体のみならず、精神までも気高い“侍”としての急成長を遂げた、少年キャラクターだ。

 

 少年キャラクターが大人へと成長する理由や背景は、作品ごとに実にさまざまだ。成長前の可愛らしい姿を知っているだけに、成長後のたくましさ、凛々しさ、美しさといった強烈なギャップに驚かされてしまう。

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