『幽☆遊☆白書』コエンマや『北斗の拳』バットも…見た目が“大人に変貌”して読者を驚かせた少年キャラ3選の画像
『幽☆遊☆白書』 Vol.18[DVD]

 少年期を経て、たくましい大人へと成長を遂げるキャラクターは数多く存在する。有名なところでいえば、『ドラゴンボール』の孫悟空や孫悟飯などがまさにそうだろう。今回は悟空たちのように幼い姿から一変、たくましく凛々しい姿へと変貌を遂げた少年キャラクターたちについて見ていこう。

※以下には、コミック『ONE PIECE』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、気になる方はご注意ください。

 

■“人間界バージョン”のイケメンさは破壊力抜群!? 『幽☆遊☆白書』コエンマ

 1990年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された冨樫義博氏による『幽☆遊☆白書』は、主人公・浦飯幽助が仲間たちと数々の激闘を繰り広げていく大人気バトル漫画だ。

 霊界探偵として活躍する幽助の上司として登場するのは、おしゃぶりをくわえた赤ん坊のような姿をしたキャラクター・コエンマである。彼は霊界を統べる長・閻魔大王の息子。コミックス第1巻では、14歳の幽助に対して“こーみえても貴様の五十倍は長く生きとるのだ”と話していたが、可愛らしい見た目に反しその年齢は少なくとも700歳以上と人間と比べて途方もない月日を生きていることにまず驚いてしまう。

 とはいえ、長生きこそしているものの中身も見た目同様、子どもっぽい一面があるコエンマ。なにかとヘマをしては父・閻魔大王からお仕置きを受けるのが、お決まりの流れとなっている。

 そんな彼が作中で急成長した姿を見せたのは、人間界に姿を現した際。普段の赤ん坊の姿から一変、なんと長身かつショートヘアの“イケメン”姿を見せつけたのだ。

 本人曰く“人間界バージョン”らしいのだが、その凄まじいギャップには多くの読者が驚かされた。……とはいえ、なぜか“おしゃぶり”をくわえたままだったり、帽子に書かれていた「Jr」の文字が額に刻まれているなど、どこか少し残念な感は否めないのだが。

 実は彼のおしゃぶりは、作中最強クラスの防御技を発動させるために必要なアイテムであるため、滅多に手放すことができないという背景があったりする。仕方ない理由ではある一方、誰もが羨むような美青年が堂々とおしゃぶりをくわえて人間社会のなかを闊歩している姿は、どうにもシュールな絵面だ。

 作中でたびたび、この“人間界バージョン”の姿を披露していたコエンマ。人間を超越する年長者としての立ち振る舞いだけでなく、どこか独特な成長姿がインパクト大な少年キャラクターだ。

■“コソ泥”から“戦士”へ…世紀末を生きた一人の“男”『北斗の拳』バット

 1983年から武論尊氏(原作)、原哲夫氏(作画)により『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載開始された『北斗の拳』は、核戦争によって荒廃した世紀末の世界を舞台に、伝説の暗殺拳・"北斗神拳"の伝承者である主人公・ケンシロウが、数々の強敵たちと激闘を繰り広げるというストーリーだ。

 冒頭、ケンシロウが入れられた牢に偶然居合わせたのは、のちにケンシロウと長い旅路をともにする少年・バットだ。

 コソ泥として世紀末の世界を生き延びてきた少年で、その考え方は非常に利己的。当初はケンシロウの側にいれば自身が食いっぱぐれることもない……と、自己中心的な考え方から同行していたが、己の利益のためでなく善人や弱者のために戦い続けるケンシロウの姿を見続けたことで、いつしか“男”として彼に強い憧憬の念を抱くようになる。

 ケンシロウと宿敵・ラオウの激闘が終わった数年後、物語の第2部でバットはかつて一緒に旅をした少女・リンとともに成長した青年の姿で再登場を果たした。

 癖のある茶髪はそのままに、数々の戦いを経て鍛え上げられた肉体を活かし、人々を苦しめる帝都軍に対抗すべく「北斗の軍」を立ち上げ活動していたバット。

 再会したケンシロウもそのたくましい成長ぶりに「男の顔になったな」と微笑んでおり、かつての憧れの存在から投げかけられた言葉に彼は涙してしまうのであった。

 バットは拳法家たちのような圧倒的な戦闘力こそ持たないが、ボウガンや剣といった武器を使いこなし、ときには体術のみで相手を打倒するなど、高い実力を見せつける。また、北斗神拳で用いられていた“経絡秘孔”をいくつか使いこなすなど、ケンシロウたちの戦いを長らく見ていた影響からか、戦闘スタイルにもしっかりと今までの経験が活かされていることが見て取れる。

 当初は自身が生きることだけを考えるちっぽけな少年だったが、ケンシロウや数々の強敵たちの生きざまに触れ、一人の立派な“戦士”として成長を遂げたたくましい少年キャラクターだ。

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