尾田栄一郎氏の『ONE PIECE』の世界で、たびたび名前が登場する天才科学者の「Dr.ベガパンク」。世界に存在するさまざまな物や技術の開発に携わっており、物語の最重要キャラとも言われる彼が、最新刊となる第105巻にてついにその姿を現した。今回はそんな物語のカギを握るベガパンクについて、解説していきたいと思う。
※以下には、コミック『ONE PIECE』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、気になる方はご注意ください。
■天才科学者の存在が明かされた瞬間
ベガパンクの存在がはじめて明かされたのは、コミックス巻45第433話「その海の名は」にて、ルフィとコビーの会話のなかで登場した。
海軍本部の軍艦は、船底に”海楼石“を敷き詰めることで海王類が生息する“カームベルト”を航行することが可能であるという。その技術を取り入れたのが軍の科学者・Dr.ベガパンクであると明かされ、物語的にはこの瞬間、はじめてその存在について言及された。
さらに”悪魔の実“の能力の伝達条件の解明や、物に”悪魔の実“を食べさせる方法を発見したのも彼の近年の大仕事であるとヘルメッポが続ける。
物語の根幹に関わりそうな情報を持つ人物であることがサラっと明かされたものの、この話のなかではベガパンクの人物像に関する詳細な情報が語られることはなかった。
■ベガパンクの少年時代と人間性
ベガパンクという人物について詳細に解説されたのは、コミックス第60巻592話「エール」でのこと。
フランキーはくまのニキュニキュの能力によって、ベガパンクが生まれた冬島・未来国バルジモアに飛ばされる。そこで出会った老人から、ペガパンクの話を聞いたフランキー。
なんでも、少年時代からあらゆるものを開発していたベガパンクは、極寒のバルジモアで凍える人々を救うために、島ごと暖める”土暖房システム“を開発しようとしていたそうだ。
技術と資金の問題で計画は頓挫したものの、この話でベガパンクが少年時代から天才的な頭脳を持ち合わせていたこと、そして人々を想う優しい心を持つ人物であることが明らかとなった。
これまで人物像が不明だったことで、マッドサイエンティストの敵キャラとして登場することも予想されていたが、少なくとも人を傷つける人物ではないと考察できるストーリーだ。