2023年4月9日から、新作アニメ「刀鍛冶の里編」の放送がスタートした吾峠呼世晴氏の『鬼滅の刃』。アニメ化されるたびに大きな話題を集めてきた同作の新作の放送に、ファンもワクワクしながら日々を送っていたことだろう。
『鬼滅の刃』の魅力の一つは、主人公の竈門炭治郎の分け隔てない優しさにある。同作のキャッチコピーには「日本一慈(やさ)しい鬼退治」が用いられることもあり、倒した鬼相手にも慈しみの心を忘れない炭治郎は、実年齢以上に人間ができているといえるだろう。
人間としてかなり人格者である炭治郎だが、恋愛面ではどうなのか。実は『鬼滅の刃』本編では驚くほどに恋愛描写が少ない。そこで今回は、これまで炭治郎が作中でとってきた行動などをもとに、彼が異性にモテるのかどうかを検証していきたい。
※以下には、コミック『鬼滅の刃』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、気になる方はご注意ください。
まずは、炭治郎の作中でのモテ仕草から。彼の魅力は人見知りせず、初対面の相手にも親切なところだ。たとえば鬼が出る鼓屋敷にいく道中、お腹が減っている我妻善逸のために、1つしかないおにぎりをあげることがサラッとできる。なお、アニメでは善逸がそれをさも自分のものであったかのように炭治郎に分け与えるシーンが追加されていたが、2人の器の大きさの違いを見せつけられるようでもあった。
また、蝶屋敷で機能回復訓練を受けた際には、治療に従事する神崎アオイが戦いに行けない自分に負い目を感じていると知り、「アオイさんの想いは俺が戦いの場に持って行くし」と的確な声かけをしている。この言葉で、彼女は自分の仕事にも誇りが持てるようになったのではないか。
栗花落カナヲへの気遣いも素晴らしく、別れ際にコイントスをして彼女の今後に対して激励の言葉をかけた。これは間違いなく彼女の生きる世界が広がった瞬間だ。
炭治郎が去ったあと、カナヲがついコインを握り締めた自分に頬を赤らめるシーンや、動揺して縁側から落ちる様子も可愛らしい。もちろんこの時、2人の間にあった感情は恋愛ではないのだろうが。
このほか、炭焼きの家に生まれて家族思いの炭治郎は料理上手でもある。コミックス16巻の134話では、「料理は火加減!」とドヤるシーンもあった。
極めつけとして、コミックス13巻のおまけページでは筆まめな一面も明らかに。現在の文通相手は恩師である鱗滝、煉獄千寿郎、宇髄天元、冨岡義勇、遊郭の女の子たちのようだ。ちょうど13巻は「遊郭編」後の「刀鍛冶の里」編のころだが、遊郭の女の子たちにまで手紙を送っているのは、任務で潜入した際にお世話になった義理なのか、それとも遊郭編で戦闘の激しさを目の当たりにしてトラウマを抱えた人たちへの気遣いなのか。炭治郎ならば、どちらもあり得そうだ。