■天然ゆえか知らず知らずのうちに周囲をドン引きさせてしまう非モテ仕草も!?

 一方、炭治郎の非モテ仕草も作中ではたびたび登場する。

 まず、天然なところがある炭治郎は、なんとなくデリカシーがなさそうだ。「刀鍛冶の里」編では、恋柱・甘露寺蜜璃とのほぼ初めての会話シーンで、浴衣をはだけながら走ってくる彼女に「あっ 気をつけてください!!」「乳房が零れ出そうです!!」と、大真面目に忠告。武士を思わせる言い回しは女性に免疫がないのか、それとも単に彼女を異性として意識していないのが理由なのか。

 しかし、甘露寺に耳元でヒソヒソ話をされた際には、彼女が去った後に「ブーッ」と鼻血を出す年頃らしい一面も。この時、手に持っていたおにぎりや湯呑みを頭上に掲げ、血で汚れないようにしているところがなんとも炭治郎らしい。

 上記よりもさらに非モテっぽい仕草は、天然ゆえのズレた発言だ。

 たとえば鼓屋敷での戦いのあと、嘴平伊之助が亡くなった人たちの埋葬を手伝おうとしなかったとき。伊之助はただやりたくないだけなのだが、炭治郎は本当に心配した顔で「傷が痛むから できないんだな?」と、謎の解釈をしていた。

 さらに「痛みを我慢できる度合いは人それぞれだ」「伊之助は休んでいるといい」と続け、本人としては相手を気遣っているのだが、野生児の伊之助からすると煽られているとしか思えない発言を平気でしてのける。これには炭治郎に助けられた清たち兄弟も、「ずれてる…………」とドン引きしていた。

 ここまで見ると、作中屈指の天然具合で周りを戸惑わせる場面はあるものの、炭治郎は人柄の良さからいろいろな人に愛されている様子。蝶屋敷の子たちも、炭治郎らが屋敷を去る時には泣いて見送るほどだった。

 

 恋愛面で意識されることは少ないかもしれないが、間違いなく多くの人に好かれている炭治郎。もしも、つき合うとなるとズレた感性が合わないと思う人もいそうだが、男性からも女性からも慕われる彼は、やっぱりモテると言っていいのではないだろうか。

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