■シンクロ率が厄介な「エヴァンゲリオン」
アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズに登場する「エヴァンゲリオン(EVA)」もまた、そういった厳しい制約を課されたロボットの一つだ。EVAは人造人間であり、操縦系はA10神経を介した神経接続によってコントロールするシステムを採用しており、これが中々に厳しい制約を課されている。
1つ目の制約は作中でもたびたび言及されるシンクロ率についてだ。EVAとパイロットのシンクロ率が高いほどそのパフォーマンスは上がっていく。逆にシンクロ率が低すぎると、EVAは動くことすらままならない。
神経接続による操縦系で不便な要素はもう一つある。EVAが受けたダメージがパイロットにフィードバックされてしまうことだ。これは単純に我慢すればいいという話ではなく、さまざまな弊害を及ぼす。痛みを感じれば、人の肉体は条件反射的に怯んだり、うろたえたりしてしまう。一瞬の遅れが致命的となる使徒との戦闘においては、かなりの制約となり得るだろう。
また火傷をしていると思い込んだら、実際に火傷をしてしまった。という「ノシーボ効果」についても作中で描かれており、これが原因での負傷を防ぐために、シンクロ率をカットするというシーンもあった。シンクロ率が高くても、高いパフォーマンスの一方で、パイロットの負傷や死亡のリスクに繋がるという非常に厄介な操縦系なのだ。
また多くの巨大ロボットものや、現実に実在する兵器がワイヤレス接続される中で、EVAはアンビリカルケーブルによる有線接続となっておりこれが非常に斬新だった。行動範囲が制限されることや、また敵にケーブルを切断されるリスクもある。中々に厳しい制約で、電源喪失によるさまざまな苦労やピンチが作中で描かれた。
多くのスーパーロボットには、厳しい制約があるものの、その分、性能は一般的な兵器を凌駕するものがほとんどだ。技術力不足を、厳しい制約で無理矢理補うというのはスーパーロボットの定番であり、ロマンでもある。