ついにアニメ化! なぜ『【推しの子】』は人気なのか…“推しアイドルの妊娠”から始まる話題作の魅力を語るの画像
アニメ『推しの子』キービジュアル (C)赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会

 原作:赤坂アカ氏、作画:横槍メンゴ氏による漫画『【推しの子】』のアニメが、2023年4月12日から放送開始される。芸能界を舞台としており、斬新な視点や設定、展開が話題を呼んでいる作品だ。その性質ゆえに、ときに業界のリアルや闇が生々しく描かれるところも見どころのひとつである。

 今回はそんな『【推しの子】』の連載を追い続けている筆者が、その魅力についてネタバレを最低限にとどめたうえで紹介していく。アニメ放送前に、本作の魅力が少しでも伝われば幸いである。

 

※以下には、コミック『【推しの子】』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、気になる方はご注意ください。

 

 物語は産婦人科医の雨宮吾郎(ゴロー)のもとに、突然活動休止した推しアイドル・星野アイがやってきたところから動き始める。アイは双子を妊娠しており、当然ファンであるゴローは複雑な気持ちに。彼個人の感情は置いておくとしても、アイドルであり16歳の少女であるアイが子どもを産めば、今後の活動にも影響が出ると予想されるからだ。しかし彼女はそんなことにはかまわず、ゴローにとある“衝撃的な提案”をしてみせる――。

 本作最大の魅力といっても過言ではないのが、このアイというアイドルの圧倒的な存在感だろう。彼女はただ可愛くて美しいだけでなく、自分の魅せ方を熟知しており、完璧な立ち振る舞いをみせる。“アイドル”の本来の意味である“偶像”を、そのまま体現したかのようなキャラなのだ。

 アイの大きくまんまるな両目には星マークが輝いており、キャラクターデザインの面でも彼女が特別な人間であることが示されている。これは原作でも十分効果的だったが、アニメ映像では暴力的なまでのパワーを発揮。

 真ん中の大きな星マークに、その周囲に散りばめられた星くずのようなキラキラ、たとえそれらがなかったとしても吸い込まれそうなほど美しい色合いの目は、何度見てもうっとりとしてしまう。本予告映像ではウインクをする場面もあり、そんなことをされたときにはもう……。YOASOBIによるオープニング主題歌「アイドル」の魅力も相まって、破壊力がとんでもないことになっている。

 アイの素晴らしさはもちろん、彼女に対するファンの心理がリアルに描かれているところも共感度が高い。たとえば、前述した“衝撃的な提案”を受けたときの、「君はどうしようもないほどアイドルで 僕はどうしようもないほど君のファンだ」というゴローのモノローグ。

 これは特報の映像でも出てきているセリフだが、原作だと“ファン”の部分を“奴隷(ファン)”と書いているところがなんともニクい。ちなみにこの場面ではアイの名言も炸裂しており、彼女のアイドルとしての矜持が垣間見える。

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