■『英雄伝説 閃の軌跡』(2013年)
『空の軌跡』などの『軌跡』シリーズや、アドル・クリスティンの冒険を描いた『イース』シリーズでおなじみの日本ファルコムが手がけたRPG。本作は『軌跡』に連なるシリーズ作品であり、過去作で言及されていたエレボニア帝国という強大な軍事大国を舞台にしていた。
フリーランスのように身軽な職種の“遊撃士”に身を置く主人公が多かったそれまでの『軌跡』シリーズと異なり、『閃の軌跡』ではトールズ士官学院に通うリィン・シュバルツァーを主人公とし、彼が仲間たちと勉学や訓練に励みながら成長していく様が描かれていた。全4作が作られた『閃の軌跡』シリーズだが、学園ものを取り入れた『軌跡』は、いまのところ本シリーズだけだ。学園もののストーリーが描かれるかたわらで、旧体制を重んじる貴族派と、改革を求める革新派の対立という政治的な内情が描かれていたのも特徴だろう。
■『ファイアーエムブレム 風花雪月』(2019年)
任天堂の名作シミュレーションゲームシリーズ『ファイアーエムブレム』の1作。アドラステア帝国、ファーガス神聖王国、レスター諸侯同盟という3つの国がひしめくフォドラ大陸を舞台に、プレイヤーは士官学校の教師として赴任し、3つの学級からひとつを選んで指導していく。
本作のストーリーは2部にわかれている。1部では士官学校を舞台とした学校生活が中心で、2部ではあるきっかけで起こった戦争が軸。平和な中でのんびりとした学校生活が送れた前半と、国ごとに分かれて級友同士で殺し合わなくてはならない後半の温度差には、当時多くのプレイヤーが衝撃を受けたと思う。
学園ものを取り入れた斬新な作風ではあったが、戦略が求められる難易度の高いバトル、交流を深めると発生する“支援会話”など、『ファイアーエムブレム』シリーズおなじみの要素は健在。本作は国内外で高く評価され、現在までに300万本以上を売り上げている。
ただ見たり読んだりするのではなく、実際に追体験できるのがゲームの強み。自分にとっては過去となった学校生活を、今回ピックアップしたような作品を通してやり直してみるのもおもしろいかもしれない。