■決して逃げない強さを手に入れた!『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』ポップ
監修:堀井雄二氏、原作:三条陸氏、作画:稲田浩司氏による『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』のポップは、主人公であるダイの親友かつ相棒的存在。初期のころの彼はとにかく臆病かつ逃げ癖があり、強敵に出くわしたときダイを置いて一人で逃げることすらあった。
そんなポップは、ダイが獣王クロコダインとの戦いに向かった際も逃げ腰に。ヒロインのマァムに失望されようが、彼女がダイの後を追って出ていこうが動けないままでいた。しかしその後仲間のピンチを知り、“ニセ勇者一行”の一人、まぞっほから「さあ早く行けっ」「胸に勇気のかけらがひと粒でも残っているうちに…!」と鼓舞され、ついに立ち上がることとなる。
“ひと粒の勇気”を振り絞ったポップは、クロコダインのもとに現れると「…おれの仲間を傷つける奴は…」「絶対にゆるさねえぞおぉぉぉっ!!!」と、啖呵を切ってみせた。手足を震わせ歯をガチガチ鳴らし、それでも心を決めて叫ぶ姿には、思わず“よく言った!”と拍手したくなってしまう。
さらにこのときポップは、ボロボロのダイから「に…逃げろ…」と言われたにもかかわらず、強烈な攻撃を受けながら何度も立ち上がった。ずっと逃げ続けてきた彼が、逃げろと言われても構わず戦うことを選んだのだ。
彼はこの戦い以降めきめきと成長し、敵からも恐れられるほどの強さを手に入れることに。自分の弱さをよく理解したうえで、その弱さを乗り越えようと腹を決めた人間はとことん強い。
逃げたり泣いたり震えたり、みっともない姿を見せることもある“ヘタレキャラ”。しかし何かのきっかけでその奥底に眠る勇気が目覚めたとき、彼らは普段とはかけ離れたきらめきを放つ。ギャップと伸びしろが半端ないヘタレたちの、作中での活躍から目が離せない。