巨大ロボットアニメといえば「ビーム」が飛び交うSFアニメという印象を持つ人は多いのではないだろうか。だが『グレートマジンガー』のマジンガーブレードや『超電磁マシーン ボルテスV』の天空剣のように、実体をともなう「巨大な刀剣」を構えるロボットもおり、その存在感が生む大迫力の近接戦はロボアニメならでは。
今回は銃撃戦とは違った生々しい殺陣が生まれた、刀剣を持つロボの魅力を振り返りたいと思う。
■『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』グフカスタムの「ヒートサーベル」
「グフカスタム」といえばムチ状の武器である「ヒートロッド」を扱う印象が強いが、実体剣である「ヒートサーベル」も装備されている機体だ。
ヒートサーベルはシールド裏に収納されており、あまり目立たない。しかし『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』でグフカスタムを操るノリス・パッカードは非常に優秀なベテランパイロットのため武装をバランス良く使用しており、彼がヒートサーベルを構えるシーンをたびたび見ることができる。
そんなノリスの名シーンといえばやはり最終局面の「鉱山基地攻防戦」だろう。
土煙に紛れていつの間にか量産型ガンタンクの上に乗っていたノリスのグフカスタムが、量産型ガンタンクにヒートサーベルを突き刺すシーンだ。そのスピード感はもとより、突き刺した後のぐりぐりと止めを刺したMSから黒いオイルがまるで血のように飛び散る描写など、カッコよさの一方でどこかグロテスクさえも感じるこの場面。刀剣を使った近接戦ならではの表現と言えるだろう。
■『機甲界ガリアン』重厚感あふれる刀剣バトル
実体剣といえば『機甲界ガリアン』の「ガリアンソード」を思い浮かべる人も多いと思う。これは、通常の実体剣のような形態と、刀身が蛇腹状に細かく分割された鋭利な鞭型の2形態をもつ武器。実体剣を鞭のように振り回して広範囲を攻撃したり、単純にリーチを伸ばすことができる。そういった機能面はもちろんだが、歴代ロボアニメを振り返っても類を見ない個性的な武器のひとつではないだろうか。
そんなガリアンソードの発祥とされるのが1984年に放送されたアニメ『機甲界ガリアン』。中世ファンタジーの世界にSFが混じった独特の世界観が特徴の作品だ。
同作で、実体剣を使用した名バトルシーンといえば「ジルムセン・ランベル」との一騎打ちだろうか。「ガリアン」に乗る主人公のジョジョに、「ザウエル」に乗るランベルが一騎打ちの決闘を申し込むエピソードだ。
このシーンでは接近戦に向いていない、鞭形態のガリアンソードは登場しないが、ザウエルが装備するドリルのように横に回転する「回転剣」が登場する。とはいえ回転剣もそれほど特殊な使い方をされるわけではなく、単純に巨大ロボ同士の剣と盾を使った接近戦シーンとなる。
巨大ロボ同士が剣と盾、体をぶつけあい、機体のマッシブなフォルムと相まって、重厚感が伝わる迫力満点の名シーンになっている。