■知られてはいけないその素顔
続いては『名探偵コナン』の公式スピンオフギャグマンガである『犯人の犯沢さん』の主人公・犯沢真人。同作は『コナン』での正体が明かされる前の犯人の全身黒タイツのような姿をキャラにした作品で、殺人計画をしている犯沢さんが犯罪率の異様に高い米花町に引っ越してきて、その治安の悪さに驚かされるといった攻めた内容のギャグが特徴。
犯沢さんは『コナン』お約束の犯人の姿なのでもちろん素顔はわからない。『コナン』本編では恐ろしい犯人と同じ姿でも、犯沢さんは巻き込まれがちな不運体質で、かなり親しみやすく同情を誘うキャラとなっている。きっと素顔も心優しい青年に違いない。
最後は1979年から『週刊少年ジャンプ』にて連載され今も多くのファンを持つ『キン肉マン』。主人公のキン肉スグルのたらこ唇や団子鼻がファニーな顔面が実はマスクであることは周知の事実だろう。
その理由は、キン肉マンらキン肉族は素顔を見られると自害しなければならないという厳しすぎる決まりがあるから。よって幾度のピンチがありながらもキン肉マンの素顔はこれまで一度も明かされなかったが、実は過去に何度か、素顔を想像させるシーンがあった。
それは、マスクを取ると顔から光を放ち奇跡を起こす必殺技「フェイス・フラッシュ」のとき。ビビンバの顔の傷を癒すためにフェイス・フラッシュをした際は、マスクの下からキラリと光る眼光の鋭い目元やきゅっと上がった広角が見てとれた。また同じくマスクをズラしている36巻の表紙は、光に包まれてはいるものの、先述のものよりも素顔が想像しやすくなっている。また『キン肉マンII世』でも息子・キン肉万太郎とともにマスクを外すシーンがあるが、これも光を放つ演出により細部までは分からないものだった。
どちらにしても普段のマスクからは想像もできないようなイケメンさがにじみ出ているキン肉マン。いつか素顔のお披露目シーンはあるのか?
ファンが気になってしょうがなかったのに、ついぞ明かされることのなかった彼らの素顔。裏を返せば、最後まで顔を見せなかったからこそ、ここまで注目を集めたのかもしれない。