「光の剣」のかっこよさは他の武器に代えがたい。『スターウォーズ』シリーズに登場するジェダイの騎士たちが使う「ライトセーバー」。そして『ガンダム』シリーズの「ビームサーベル」。さらに付け加えるなら『宇宙刑事ギャバン』などのレーザーブレード。
これらは、メジャーな「光の剣」。今回はそんな「光る剣」の中でも、光る剣が登場する作品を、特撮&アニメを中心に思い出してみた。あなたの好きな「光の剣」は何だろうか。
■「霊剣」から「次元刀」への進化!
『ジャンプ』アニメを代表する「光の剣」は、『幽☆遊☆白書』(92年)で桑原和真の使う「霊剣」だろう。桑原は主人公・浦飯幽助の戦友にして、悪友。そのケタ外れな霊力で、桑原らしく力技で道理を超えていく姿を体現するのが、「霊剣」なのだ。この剣は伸縮自在。しかも、物語後半の「魔界編」では、最凶の敵の仙水相手に、現実と異次元の境界を斬り裂く「次元刀」に変化。桑原同様、進化していく剣でもあった。
続いては、95年に放送が始まったファンタジーアニメ『スレイヤーズ』。OVA、劇場版ともにロングシリーズとなる本作の主人公は、女魔道士のリナ=インバース。彼女の相棒で「光の剣の勇者の末裔」ガウリイ=ガブリエフが使うのが、「光の剣」。彼が物語初期に使う剣は、「烈光の剣=ゴルン・ノヴァ」と称されるガウリイ家の家宝。「光よ!」の声とともに柄から黄色い光の刀身が出現し、その剣技で数々の敵を屠ってきた。
『スレイヤーズ』といえば、原作は神坂一氏によるライトノベル。同じ作者の原作アニメ『ロスト・ユニバース』(98年)でも「光の剣」が登場する。それが主人公のケイン・ブルーリバーが使う「サイ・ブレード」だ。これは、自らの精神力をエネルギーに変換する武器で、劇中では青色。
また、こちらもラノベ原作のスペースオペラ『天地無用! 魎皇鬼』(92年)にも主人公の高校生・柾木天地が使う光線の剣「天地剣」が登場するなど、90年代の「光る剣」はSF、ファンタジーを描くうえでのギミックの一つだったのかもしれない。
■80年代を代表するリボルケイン!
少し時代を遡ると、『機動戦士ガンダム』(79年)でアムロ・レイの駆るガンダムのビームサーベルがあるし、その前には『スターウォーズ』(77年)のジェダイの騎士の代名詞でもあるライトセーバーが登場するなど、「光の剣」はこのあたりが発祥だろう。82年に放送された東映の宇宙刑事シリーズの1作目『宇宙刑事ギャバン』で銀河連邦警察から派遣され、地球を守るギャバンが使うのはレーザーブレードは中興の祖。この後の「メタルヒーロー」たちはこのレーザーブレード、もしくは似て非なる武器を使うのが恒常化していった。
とくにシリーズ5作目の『時空戦士スピルバン』(87年)は画期的。この作品では「オレの怒りは爆発寸前!」という決め台詞とともに振るうのが「ツインブレード」。『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(01年)の敵役・ダース・モールのライトセーバーと同じく両刃の光る剣であった。
さらに忘れがたいのは、杖ではあるが、『仮面ライダーBLACK RX』(88年)に登場のリボルケイン。主人公のライダー・BLACK RXがドロップキックのような「RXキック」から、腰のベルトから抜くリボルケインによる「リボルクラッシュ」で、敵を爆散させるのがいつもの展開。光エネルギーに送り込んで、大爆発を引き起こすというチート級の必殺技は、常にカッコ良かった。
■『飛べ!イサミ』など、まだまだあるぞ!「光る剣」
時を戻して、90年代。アニメ『飛べ!イサミ』(95年)で主人公の小学生・イサミは、少女にも関わらず「光の剣」の使い手である。本作は『ナイン』、『タッチ』で知られるアニメ監督、杉井ギサブロー氏が総監督を務めたオリジナルアニメで、新撰組の子孫が悪の組織「黒天狗党」と闘う、バトルありミステリーありのジュブナイル。イサミが使うのは、柄のみの「光の剣」で、「龍の剣」と呼ばれる。なんと、この剣はその敵に電気ショックを与えるというスタンガンのような変わり種。ちなみに、彼女の仲間で、「しんせん組」の月影トシ、雪見ソウシも光る武器を使用しているのだが、いま観ると、みんなの武器が防犯グッズっぽくて愛らしい。
近年では、ゲーム内の世界を舞台にした、『ソード・アート・オンラインII』(14年)にも「光の剣」が登場。本作で、主人公のキリトが「ガンゲイル・オンライン」というゲーム内で振るうのが「光剣《フォトン・ソード》」。「ガンゲイル・オンライン」のキャラクターの多くは銃火器主体だが、キリトは、大体弾丸を弾き返すか切断する、抜群のスキルあってこその使用法を劇中で披露した。ところでその光線の色は紫。『スター・ウォーズ』シリーズのサミュエル・L・ジャクソン演じるジェダイのライトセーバーと同色という点にも感じ入るものがあった。
このようにアニメの世界の「光の剣」を紹介してきたが、本当は数えきれないほど、多くのゲームに「光の剣」は登場。たとえば、ゲーム『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズでは初期の頃から、「ビームソード」が登場。剣を持つはずのないキャラクターが「光の剣」で闘う姿があり、「光の剣」の魅力はまさしく不滅と言えそうだ。