和久井 優
和久井 優
全ての写真を見る

 4月よりアニメ化&ドラマ化される『おとなりに銀河』は、ジャンルで言えばハートフルラブコメディ。ヒロインが「宇宙から流れ着いた流れ星の民の姫」という設定からSFとも言えるが、むしろ箱入り娘が単身上京し、ささやかな日々のあれこれに胸をときめかせながら出会っていく姿を描いた日常ものと言ったほうがしっくり来る。

 その日常が展開されるのは、両親を亡くして少女漫画家として生計を立てている主人公・久我一郎(CV.八代 拓)と、彼の幼い妹弟が暮らす家。ヒロイン・しおり(CV.和久井 優)は久我のアシスタントとして働きながら、久我家が営むシェアハウスの一室に居を構え、やがて家族の一員のようになっていく。

■一つひとつの言葉が愛おしくて、かわいくて

「久我家には小学3年生のまちちゃん(CV:遠藤璃菜)と小学1年生のふみおくん(CV:長縄まりあ)がいるんですが、八代さんと『久我家のアイドルだよね!』と話すくらい、その二人がかわいいんです! ふみおくんは特に内気なキャラクターなので、言葉数も少なめではあるんですが、『あ』っていう一言だけでもかわいいんですよ。もう本当に、ちょっとしたリアクションの一つひとつが愛おしくて、かわいくて。声だけでもそうなので、これに映像や色や音楽がついたら、それはもう大変なことになると思います。
 アフレコ現場でも、あまりのかわいさにみんなが息をのむくらいだったんですよ。私たち声優陣はアフレコ中に声を出せませんから、まちちゃんやふみおくんがしゃべる度に『……っ!!』と無言で悶えていましたが、ガラスの向こう側(スタッフブース)はどよめいているように見えました(笑)」

久我家のアイドル、まち&みちお。
©雨隠ギド・講談社/おとなりに銀河製作委員会

 妹弟を一人前に育て上げなければ、という責任感は久我というキャラクターの大きな要素。家族の物語が描かれるほど、彼ら全員と自然に絆を深めていけるしおりが久我と惹かれ合う姿に、説得力が生まれていく。さてそのしおりを演じる和久井にも、「我が子ってこういう感じなのかもな」と愛おしく思う家族がいるらしい。

「我が家にはぬいぐるみたちがいまして、その子たちを私は家族だと思って一緒に過ごしているんです。小さい頃からぬいぐるみは好きでしたが、こんな風に無償の愛を注ぐようになったのは、上京してから。まるで命が宿っているような、『この子とはずっと一緒だろうな』と思える子との出会いがあって、そこからだんだん仲間が増えて、今では30体くらいの大家族になりました。どの子もちゃんと運命を感じてお迎えしている大事な存在なので、いつでも連れて歩きたいくらいなんですが、なかなか外には連れ出せなくて(笑)。その分、家ではいつも一緒に過ごしています」

主人公・久我は人に頼ることが苦手な好青年。
©雨隠ギド・講談社/おとなりに銀河製作委員会

■染み渡るような優しい幸福感を味わって

 今回、和久井はエンディングテーマの歌唱も担当。ゆったりした曲調で、甘い透明感のある歌声が心地よい楽曲だ。

「私は緊張しやすくて肩に力が入りがちなので、とにかくリラックスして、穏やかな波に漂うようにゆったり歌うことを意識しました。ちょっとした語尾の伸ばし方に気をつけたり、『ここはしおりさんにとって大事なキーワードだろうな』というところを大事にしたり。スタッフの皆さんにもリラックスできる空間作りをしていただけて、少し雑談も交えながら、歌わせていただきましたね」

箱入り娘だったしおりにとっては何もかもが新鮮。
©雨隠ギド・講談社/おとなりに銀河製作委員会

 歌のレコーディングだけでなく、本編のアフレコに関する話でも度々「緊張しやすい」と口にしていた和久井。緊張をほぐすために昔からやっているルーティーンなどはないのだろうか。

「ルーティーンを作ってみたこともあるんですが、緊張しやすいがゆえに『ルーティーンをやらないとダメだ』という気持ちになってしまうんですよね。なので決まったルーティーンは作らずに、自然体でいることを意識して、緊張しているなと思ったら深呼吸したり水を飲んだり。あとはその場にいるスタッフさんと仲良くなれると自然体でいられるので、『今日は寒いですね』とかちょっとした雑談を積極的にするようにしています」

 そんな雑談さえも、きっと適当に流したりはせずに、丁寧に言葉を交わすのだろう。微笑みを浮かべて真摯に答えてくれる和久井からは、柔らかな生真面目さが感じられた。それこそしおりのような、日常のささいなことにも目を留めて心を寄せる、繊細で優しい感受性を。

「『おとなりに銀河』はすごくハッピーになれる作品ですが、弾けるようなハッピーさというよりも、じんわり染み渡るような優しい作品ですので、そういうところをぜひ味わってほしいです。久我さんとしおりさんの関係性は毎話毎話、本当にちょっとずつ進んでいくので、そのキュンキュンやドキドキワクワク、そしてたまに『うわー!』となるところが見どころですね。そして二人の関係はもちろん、まちちゃんやふみおくんをはじめ、周りのキャラクターも含めて楽しんでいただけたら嬉しいです」

《プロフィール》
和久井 優 わくい・ゆう
1995年生まれ、栃木県出身。2014年にTVアニメ『アイカツ!』の氷上スミレ役に抜擢され、声優デビューを果たす。その他の代表作として、『三者三葉』(西川葉子役)、『異世界食堂』(ハンナ役)、『アイドルマスター シャイニーカラーズ』(浅倉透役)など。


《作品情報》
TVアニメ『おとなりに銀河』


<放送情報>
2023年4月8日(土)25:30~ TOKYO MX、BS11ほかにて放送開始
2023年4月8日 (土)24:00〜 dアニメストア、U-NEXTにて地上波先行配信
その他配信サイトでも順次配信

<イントロダクション>
高卒で漫画家としてデビューするが、その後父親を亡くし、残された幼い妹弟をひとりで養うため、日々仕事に精を出す久我一郎。
そんな彼の元に現れたのは、敏腕&美貌の神アシスタントの五色しおり。

原稿の締切が迫る久我くんにとって救世主のように思えた五色さんだったが、そんな彼女から突如「わたくしは、流れ星の民の姫。あなたと婚姻関係の契りが結ばれた」と宣言されてしまう──!

恋愛初心者2人の“婚姻契約”から始まるほんわかハートフルラブコメディ、開幕!!

<スタッフ>
原作:雨隠ギド(講談社「good!アフタヌーン」連載)
監督:木村隆一
シリーズ構成:市川十億衛門
キャラクターデザイン:大滝那佳
プロップデザイン:宍戸久美子
美術監督:平良亜梨沙
色彩設計:大塚眞純
撮影監督:鯨井 亮
編集:本田優規
音響監督:田中 亮
アニメーション制作:旭プロダクション

<キャスト>
久我一郎:八代 拓
五色しおり:和久井 優
久我まち:遠藤璃菜
久我ふみお:長縄まりあ
指宿ちひろ:高橋李依
護国正弘:杉田智和
護国桃香:日笠陽子

<オープニングテーマ>
松本千夏「となりあわせ」
<エンディングテーマ>
五色しおり(CV: 和久井 優)「Near Stella」

<公式サイト>https://otonari-anime.com/
<公式Twitter>@otonariniginga

©雨隠ギド・講談社/おとなりに銀河製作委員会

全ての写真を見る