グエルにジェリドにコーラサワー…弱いけど嫌いになれない『ガンダム』ファンに愛された“噛ませ犬”キャラたちの画像
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』season2 (C)創通・サンライズ・MBS

 2022年冬アニメの中でも話題性の高かった『機動戦士ガンダム 水星の魔女』。4月9日からは待望のシーズン2が放送となるが、シーズン1でも人気を集めた「グエル・ジェターク」の先の展開が気になるという視聴者は多いのではないだろうか。

 再序盤で主人公に連敗して以降、転落人生が続いているグエル。歴代の『ガンダム』シリーズを振り返っても、第1話から主人公に負け続ける「噛ませ犬」のような位置に立たされるキャラクターは登場していたが、どの人物も弱さの一方で人間味にあふれており、不思議とファンの間で人気者になるケースが多い。

■登場のたびに話題になったグエル・ジェターク

 グエル・ジェタークは、ベネリットグループの御三家企業の中の1つ、ジェターク・ヘビー・マシーナリーの長男だ。つまり、超巨大企業の御曹司というわけだ。

 さらに、グエルの通っているアスティカシア高等専門学園における決闘では、主人公であるスレッタに負けるまでは無敗を誇っていた。つまり、権力も実績もあるスーパーエリートだった。

 しかしスレッタとの決闘で負けてからは、風向きが一転。その後もスレッタに2度目の敗北をし、次に決闘したエラン・ケレスが搭乗するガンダム・ファラクトにも負けて3連敗を喫してしまう。加えてスレッタに急に告白したりといった謎行動で一気にネタ化してしまったのだが、その後もかわいらしい姿が尽きず。

 彼は学園寮を追い出されることとなるが、その後、なぜか手慣れた感じで独りキャンプをする姿がツイッターで話題を集めた。グエルは遂に退学になってしまい、「ボブ」という偽名で輸送業者らしき職業に従事しているのだが、こちらでも、やたらと爽やかな好青年に描かれていたりと、ネタに事欠かない人物でもある。

 意外な好人物であることで視聴者の人気を集めてきたグエルだったが、シーズン1ラストで衝撃的な展開を迎える。はたしてどのような運命を辿るか、彼の行く末を見守りたい。

■宇宙世紀の愛され噛ませキャラ

 宇宙世紀の噛ませ犬キャラクターと言ったら、多くのファンは『機動戦士Zガンダム』に登場するジェリド・メサを思い浮かべるのではないだろうか。表向きには主人公であるカミーユを執拗に狙うライバルキャラであり、カミーユに人生を狂わせられた不幸なキャラでもあった。

 典型的な敵キャラなのだが、1話の登場シーンから、「カミーユ? 女の名前なのに……なんだ男か」と、遠くでぼそりと呟いたことでカミーユに殴られる。と、いきなり衝撃的な出会いとなった。

 結構な距離が離れていたのになぜかカミーユに聞こえてしまっていたり、ダッシュで助走をつけて殴られてしまうという、カミーユのエキセントリックさが前面に出た因縁の始まりのシーンであり、ジェリド屈指のネタシーンである。

 その後も何度もカミーユに退けられ、オールドタイプ最強との評価もされているヤザンや、さらなる強敵のハマーンやシロッコが登場し、噛ませ犬キャラクターの立ち位置を確立した。

 しかし、エキセントリックな性格のキャラクターが多い『機動戦士Zガンダム』のキャラクターの中では比較的常識がある人物で、実は仲間思いな性格が垣間見えたりする。そういった点が見る人の心を惹きつけるのか、愛されキャラとして今でもガンダムファンの間で定期的に話題に上がる男だ。

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