尾田栄一郎氏による『ONE PIECE』には個性的なキャラクターが数多く登場するが、理不尽な強キャラに振り回されるモブキャラに同情すると同時に、「こんな人の下では働きたくないな……」と思ったことがある読者も多いのではないだろうか。今回はそんな『ONE PIECE』に登場する、理不尽な中間管理職キャラを3人紹介しよう。
■部下は飽くまでも組織の捨て駒「クイーン」
最初に紹介するのは、”百獣のカイドウ“率いる「百獣海賊団」より、クイーンを紹介したい。
まずその6mを超える身長と、巨大なボールのような体形に誰もが圧倒されてしまうことだろう。一目見ただけでもできるだけ関わりたくないと思わせてしまう威圧的な容姿をしているが、歌って踊りながら登場したり、部下の困っていることをランキング形式で発表させたりとコミュニケーションは意外ととりやすく、第一印象よりも比較的かかわりやすい人物であることがわかってくるだろう。
しかし信頼のおける上司として接していたのもつかの間、いざという時になると部下に対する非情さが明らかになるのだ。
科学者であるクイーンが発明した疫災弾「氷鬼」のウイルスに感染し、クイーンに助けを求める部下たちであったが、そんな部下たちにクイーンは”廃棄要因“や”穀潰し共“といった言葉を浴びせる。さらに「百獣海賊団」のために死んで役に立てと部下を突き放し、「兵はいくらでもいる!!!」と、部下一人一人の存在を完全に軽視しているのだ。
普段は気のいい兄貴分のように親しげに接していても、組織の一大事には部下の命を軽んじる冷酷な人物であると知った日には、まさしく絶望しかないだろう。
■上司イジりは一切禁止「ピーカ」
続いて紹介するのは、「ドンキホーテ海賊団」の最高幹部、ピーカである。
常にしかめっ面で無口なことから、冗談など通じない堅物であることが感じられる。コミュニケ―ションがとりにくく人間性を知ることも困難なため、重要事項の報告に行く場合は気が重くなること間違いなしだ。
そしてピーカとかかわるうえで何より注意が必要なのが、その特徴的なハイトーンボイスにリアクションをしてはいけないということだ。ピーカはその見た目とは裏腹に地声が非常に高く、初めてその声を聞いた人間であれば驚いてしまうこと間違いないらしい。しかし自分のハイトーンボイスにコンプレックスを持つピーカの前で思わず吹き出してしまった日には、単なる説教で済むはずもなく待っているのは「死」あるのみである。
実際に、ドンキホーテ海賊団の新入りがピーカの声を初めて聞き、吹き出してしまった際には、「生き埋めだ…!!! 貴様を石の中に」とこれ以上ないキレっぷりを見せていた。
確かに重要な会議の際に上司の声を聞いて吹き出してしまうなど、普通はあってはならないことだが、まさか殺されることになるとは誰も想像しない。そんな死の恐怖を抱えながらピーカのもとで日々を過ごすなど、業務内容とは別のストレスを抱えてしまうこと間違いなしだ。