■たった3日で“超聖水”を手に入れた! カリン塔での急成長
主人公の悟空だが、意外にも敵キャラに負けていることも多い。
少年時代の悟空が敗れた相手で代表的なのが殺し屋の桃白白だ。桃白白は悟空の攻撃をすべて受け流し、かめはめ波すら効かない強敵だった。まあ、柱を壊して投げ、それに飛び乗って移動するという離れ業を披露しているだけに、もはやこちらも人間とはいえないくらいの強さなのだが……。
桃白白に敗れた悟空はカリン塔に丸一日かけて登り、カリン塔のてっぺんにいる仙猫・カリン様に修行をつけてもらうことになる。カリン様から“超聖水”の入った壺を奪えたら、飛躍的にパワーアップするというのだが、これは亀仙人でも3年かかったというくらい。しかし、悟空はなんと3日でクリアしてしまう。
さすがにカリン様も「な……なんてやつだ…」と驚き、悟空の能力の高さに「すでに武天老師を超えたかもしれんのう……」とつぶやいていた。
再度登場した桃白白も難なく撃破した悟空。その後もピッコロ大魔王に敗れた際には劇薬の“超神水”を飲んで潜在能力を引き出し、急激な力を身につけてカリン様を驚かせた。
今思うと、悟空はだれかに修行をつけてもらうことで、その潜在能力を引き出せていったのだな。次々と師匠たちを超えていく悟空の強さに、ワクワクしたものだった。
■才能だけでスーパーサイヤ人化!? トランクスと悟天に驚くベジータ
急激に成長した幼少期といえば、悟空の血を受け継いだ息子の悟飯や悟天も同じだ。
ラディッツとの戦闘の際、ラディッツもろともピッコロの魔貫光殺砲に打ち抜かれ、死んでしまった悟空。1年後のサイヤ人の襲撃に備えて、ピッコロが悟飯に修行をつけることになるのだが、修行の前からピッコロが驚くほどの潜在能力を見せ、最終的には父・悟空を超える強さを身につけることとなった。
ただ、悟空とベジータの血を引く悟天とトランクスもとんでもない。悟天は7歳、トランクスは8歳の時点で、あっさりと超サイヤ人化を果たしている。それも激しい修行や“怒り”などのきっかけは必要なく、悟天にいたってはまだ舞空術も使えないのに“なんとなくできており、戦闘力を大幅にパワーアップさせていた。
おそらくこの時点で、すでに同時期の悟空やベジータを超えているのだろう。さすがのベジータも息子の超サイヤ人姿を見て、「……じょうだんじゃない……伝説の戦士といわれた超サイヤ人に こうも あっさりと…」と驚いており、さらに、悟天まで超サイヤ人になれることを聞き、「……まるで 超サイヤ人のバーゲンセールだな……」とあっけにとられていた。
いや、それよりベジータが“バーゲン”という言葉を知っているのが驚きだが。だって本人はサイヤ人の王子で、妻は超金持ちのカプセルコーポレーションの娘なのに……。たまにバーゲンに行くのかな。
さて、こうして振り返ってみると、『ドラゴンボール』には指導者側が驚く成長ぶりを発揮するキャラが多いものだ。でも、孫悟天とトランクスは別として、孫悟空は亀仙人やカリン様、そして神様とミスターポポにきちんと修行をつけてもらって成長しているのだからカッコいい。その修行の過程も面白かったものだ。