■本格ファンタジーなSDロボットアニメ『覇王大系リューナイト』

 前述の『魔神英雄伝ワタル』と方向性の違いで比較されがちなのが、1994年から放送された『覇王大系リューナイト』だ。『魔神英雄伝ワタル』と同じく巨大ロボットもののSDロボットアニメだが、やや対象年齢が高く、シリアス寄りのストーリーが描かれたのが『覇王大系リューナイト』である。

 オーソドックスな中世ファンタジー世界を舞台としており、SDロボット要素を除くと、『ロードス島戦記』や『ロード・オブ・ザ・リング』のような王道ファンタジー作品となる。

 同作の特徴はなんといっても「リュー」と呼ばれるSDロボットの要素。主人公の「アデュー」は、作品タイトルにもなっている「リューナイト・ゼファー」に搭乗して戦うことになる。

 他のリューには「リューメイジ・マジドーラ」や「リューガンナー・デリンガー」などがあるが、名前の中間部分にクラス名、最後に名前が来るという法則になっている。クラスチェンジするとそれぞれ、「リューパラディン・ロードゼファー」、「リューウィザード・マジドーラ」「リューワイアット・デリンガー」となる。シリアス展開はあるものの、中世ファンタジー要素が色濃く導入されたデザインと設定が当時の子どもを魅了した。

 原作者である伊東岳彦氏による漫画が『月刊Vジャンプ』で連載。またOVAである『アデュー・レジェンド』は、テレビアニメ版のストーリーを更に対象年齢を上げ、シリアスにしたもので、こちらもテレビアニメ版とは違った楽しみ方ができるアニメだ。

 今はめっきり見なくなったSDロボットアニメだが、王道作品が多く、またどれもユニークな要素が詰め込まれている。親しみがあるかわいいデザインだけでなく、普遍的な魅力を持つアニメばかりだった。

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