■『名探偵コナン』少年探偵団の元太、歩美、光彦

 最後に紹介するのは、青山剛昌氏の『名探偵コナン』に登場するちびっ子3人組「元太」「歩美」「光彦」だ。

 この作品における少年探偵団は3人のほかに、江戸川コナンと灰原哀も含まれてはいるが、この2人の中身は17歳と18歳なので本当の「ちびっ子」ではない。

 3人はコナンたちと行動をともにするなかでさまざまな事件に巻き込まれ、子どもなりの立ち回りで事件を解決に導いたり、コナンたちにヒントを与えたりと思わぬところで活躍を見せる。なかでも印象的だったのが、映画『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』のクライマックスのシーンだ。

 下階が燃え盛る高層ビルに仕掛けられた時限爆弾から逃れるため、コナンは爆弾が爆発する際の爆風に乗り、車で隣のビルのプールまで飛び込むことを選択する。

 一度きりのチャンスを成功させようと3人も協力するのだが、歩美は爆発と車の発進のタイミングを見極めるため最後の30秒を体内時計でカウントし、元太は爆弾の近くでカウントを続けて犠牲になろうとした灰原をダッシュで連れ戻し、光彦は空中でオブジェに当たりそうになった灰原を引っ張って助ける……と、目覚ましい活躍を見せる。そして、少年探偵団は無事に5人で生還することができたのだった。

 このときの歩美と元太、光彦の原動力となったものはそれぞれ作品中で明かされるが、非常にかわいらしく胸を打たれるものなので、この映画を観た人もまだ観ていない人もぜひ確かめてほしい。

 

 今回は、ちびっ子トリオのなかでも代表的な3人組をご紹介した。上記の3人組以外にもアニメや漫画に登場するちびっ子トリオはいるだろう。子どもらしいほっこりとしたシーンだけではなく、ときに重要なシーンに絡む彼ら。これからも、さまざまな作品に登場するであろうちびっ子たちの活躍に期待したい。

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