■ホワイトベースの兄貴分「リュウ・ホセイ」

 おそらくアムロの一番の理解者だったリュウ・ホセイ。民間人ではなくパイロット候補生だが、実戦経験はほぼゼロだ。

 彼は第20話でランバ・ラルとの銃撃戦の際に重傷を負い、続く第21話で敵機に突撃して戦死した。第3話ではアムロの忠告がなければ逆光で戦おうとするなど、パイロットとしてのセンスはあまりなかったのかもしれない。

 ニュータイプかオールドタイプかといえば、リュウは典型的なオールドタイプなのだろう。ニュータイプのように、離れた場所にいる相手と共感し合うことはできない。しかし目の前の人の気持ちを汲み取る力には長けており、それゆえホワイトベースの兄貴分的な存在で人望も厚かった。いつの世でも、そういう人が重宝されるのではないだろうか。

■抜群の戦闘センスを持つ「セイラ・マス」

 アムロほど明確ではないが、セイラ・マスもニュータイプとされている一人だ。第6話では初めての機関銃操作で敵を撃墜して正規兵に賞賛され、ガンダムの操縦もすぐにとはいかなくとも2回目でやってのけている。

 MS撃墜数もアムロに次いで多く、戦闘センスは抜群だ。物語終盤に稲妻が走るような直感を得たのも、ホワイトベースのパイロットではアムロを除いてセイラのみだった。

 第43話では離れた場所からシャアの居場所を感じ取り、最後の再会を果たした。第2話でシャアの素顔に兄・キャスバルの面影を見たとき、“兄さんがこんなところにいるはずがない”と思いながらも、どこか確信めいたものを感じていたのだろう。

 兄妹間の強い絆から来る感応のようなものは、最初からあったのかもしれない。セイラの力は戦闘シーンではもちろん、とくに兄を思う場面で存分に発揮されていたように思う。

 

 以上の点から、各パイロットのニュータイプ度数を比べると、アムロ>>>>>セイラ>>カイ>ハヤト>リュウといった感じになるだろうか。

 アムロは”ホワイトベースのみんながニュータイプだ”と言っていたが、実際のところは、やはりアムロとガンダムの力が大きいのではないかと思う。しかし、人より洞察や直感が優れていたり、勘が良かったり、合わせるのが上手だったりと、ニュータイプでなくとも各々に秀でた部分は確かにある。

 噂されていた「ニュータイプ部隊」とまではいかないかもしれないが、優秀な人材が集まっていたことは確かなようだ。

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