■『刀剣乱舞』エンディングで初めて聴けた「推し」の曲

 ここまで見ると、毎週主題歌が変わる作品はいわゆる「美少女アニメ」に分類される作品が多いように思える。しかし女性向けの作品でも毎週エンディング曲が変わるものがある。日本の名だたる名刀を擬人化したゲームを原作としたアニメ『刀剣乱舞-花丸-』がそうだ。

 同作は、その回のメインとなったキャラがオリジナルキャラクターソングを歌うというエンディングだった。豪華声優による「推し」の曲が初めて聴けるタイミングがエンディングだったため、毎週最後まで見逃せなかったという人は多いのではないだろうか。また最後の1枚絵では細川ガラシャの辞世の句「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」がなぜかランダムに一部分ごとに映し出されており、謎が謎を呼んでいた。

 毎週オープニングやエンディングが変わるアニメは少なからず存在しているものの、ほとんどがアニメキャラのキャラソンが流れるものであったり、『新世紀エヴァンゲリオン』のように別アレンジの曲を使用したりといったところで、『チェンソーマン』のように歌唱アーティストが変わるという試みは異例だった。『チェンソーマン』ではさらにエンディングの映像も毎回美しくヌルヌル動き、制作陣のこだわりを感じるものだったため、ひときわ目立っていた。

 毎回見逃し厳禁な主題歌の数々。アニメの内容に即しているため、本編を何倍も楽しめるかもしれない。

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