『チェンソーマン』だけじゃない!『ぼっちざろっく』に『刀剣乱舞』最後まで見逃せなかった「EDが変わるアニメ」の魅力の画像
『チェンソーマン』(C) 藤本タツキ/集英社・MAPPA

 2022年10月クールに放送されたアニメ『チェンソーマン』は、放送前から大きな注目を集めた作品だった。その理由は、同作がもともと『週刊少年ジャンプ』で連載された人気漫画の待望のアニメ化で、それをアニメスタジオ・MAPPAが手がけるという発表だったこと。さらにオープニング主題歌を米津玄師が担当し、エンディングには毎週異なるアーティストが曲を提供するということが発表され、あまりの豪華さにファンに大きな衝撃を与えた。

 アニメ放送前段階でVaundyや女王蜂など、人気アーティストが起用されることは発表されていたが、一体どんなエンディングになるのかと毎週楽しみにしていた人も多いのではないだろうか。

 実際に放送されると、曲だけでなく映像も全て週替わりだということが明らかに。各話の世界観をイメージしたアーティストの起用や、イラストのタッチが毎回異なるという演出によって、同アニメの注目度はさらに高まっていった。

 この試みは一言でいえば「豪華」そのものだった。『ジョジョの奇妙な冒険』のように、主題歌は変わらないながらも映像の一部や演出が変わることはよくあることだが、『チェンソーマン』の他にも、毎回主題歌が変わっていたアニメ作品は多くないながらも存在する。

■「結束バンド」大ヒットにつながった『ぼっち・ざ・ろっく!』

 まず毎回というわけではないが、エンディング曲が数話ごとに変化する作品を紹介したい。2022年12月までアニメ放送されていたのが記憶に新しい、「ぼざろ」の愛称で知られる『ぼっち・ざ・ろっく!』だ。

 同作は3〜4話ごとにエンディング曲が変わり、バンドメンバーのキャラがそれぞれ歌唱を担当する仕組みとなっていた。同作はバンドものだけに、劇中曲もどれもかっこいいと評判を集めていた。この試みは、主人公の後藤ひとりの所属するバンド「結束バンド」の楽曲がより身近に感じられるものだった。

 一方、オープニングが変化したのは、ヒット曲も多く生まれた『化物語』シリーズが代表的だろう。その章のメインとなるヒロインが変わるたびに、オープニングで該当ヒロインのキャラクターソングが流れた。たいていの場合では1話分しか流れないながら、キャラの性格やイメージをうまく表現した名曲ばかりで「恋愛サーキュレーション」などはアニメファン以外からも高い知名度を誇ることとなった。

 この他、毎週エンディング曲が変わる作品として、アニメ『 アイドルマスター 』も挙げられる。同作は芸能事務所に所属するアイドルたちの物語で、2011年に放送されたアニメでは毎週エンディングを異なったキャラクターが歌っていた。ほとんどは原作ゲームシリーズで使用された楽曲なので新曲というわけではなかったが、ファンにとってはおなじみの曲だけに、かえってテンションが上がったファンも多いのでは。

 京都アニメーション制作の『らき☆すた』も毎週エンディング曲が変わった。しかしこちらはいずれもオリジナル曲ではなく、1話から12話では、泉こなたらメインキャラの4人がカラオケで歌っているという設定で、その歌がエンディングテーマとして使用されていた。「セーラー服と機関銃 」や「バレンタイン・キッス」、「地上の星」など往年のヒット曲や懐かしのアニメソングが多かったが、いずれも歌ったのは歌い出しの部分のみで終了し、次回予告に移るかたちとなっている。

  1. 1
  2. 2
  3. 3