『美味しんぼ』思わず真似したくなった庶民派料理の数々、価格高騰…“卵”を使った極旨レシピもの画像
ビッグコミックス『美味しんぼ』第111巻(小学館)

 原作・雁屋哲氏、作画・花咲アキラ氏による『美味しんぼ』(小学館)は、グルメ漫画の王道ともいうべき作品だ。料理を通して展開される人間模様や、山岡士郎と海原雄山による究極VS至高の料理対決も見ものだが、やはり何よりも魅力的なのは作中で描かれる料理が美味しそうなところ。

 高級食材を使った料理はもちろんのこと、同作では家庭でも簡単に真似できてしまいそうな料理も数々登場しており、いずれも「食べてみたい」という気持ちにさせられてしまうものばかり。

 今回は読むだけで料理知識が身につく『美味しんぼ』から、作中に登場した真似できそうな「庶民派料理」をいくつか紹介していきたい。

■カツオの刺し身を醤油&マヨネーズで

 まずは物語初期のエピソード「料理のルール」に登場したカツオの刺し身の新たな食べ方から。

 これは、フランスの高級料理店「ル・キャナル」の東京支店開店祝いに招かれた山岡が、海原雄山とバッティングしてしまうというエピソード。海原は、他客の前で「フランス人は魚の食い方を知らん」と言い放ち、おまけにカモ肉を血のソースではなく持参したワサビ醤油で食べ始めるなどやりたい放題。

 そしてそれに影響された周りの客が同じ様な食べ方をし始めたばかりか、海原が「料理としての完成度から言えば日本の懐石料理が一番」「懐石料理の場合、料理人の指定した食べ方を無視したら料理が崩壊する」と言い出したことで、山岡が激怒し、後日料理勝負をすることになる。

 そして実際に、山岡が高級料亭で提案した「自由な懐石料理の食べ方」は、カツオの刺身にマヨネーズをつける、というもの。場の全員がマヨネーズ醤油でカツオを食べ始めると、口々に「美味しい」と絶賛の連続で、海原も呆れながら試すと、予想以上の味に驚き。「こんなのは邪道だ、カツオはショウガ醤油で食べる、それが決まりなんだ!」と叫ぶ海原に、山岡が「同じことをル・キャナルのオーナーは言いたかっただろうな」と諭すのだった。

 山岡はこの食べ方について、漁師が偶然サラダの皿にカツオを落としたことがきっかけで広まったと説明したが、カツオの臭みをマヨネーズが和らげ、ショウガ醤油とはまた違った美味しさを感じる食べ方だ。春から秋にかけて、食卓でも並びやすいカツオの刺身。家庭でも一度試してみてはいかがだろうか。

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