発売から25周年『ポケットピカチュウ』に『ヨーカイザー』も…覚えてる? 当時は斬新だった“歩数計”が組み込まれたゲーム機”3選の画像
『ポケットピカチュウ』(任天堂)

 持ち主の歩数を計測し、健康管理に一役買ってくれる“歩数計”。今でこそスマートフォンなど代替品が多数存在するが、かつてはこの“歩数計”を搭載したさまざまなゲーム機が存在したことをご存じだろうか。“歩く”ことを“遊び”に組み込んだ、時代を先取りしたユニークなゲーム機について見ていこう。

■ピカチュウと一緒に歩く気分はまさにポケモントレーナー!『ポケットピカチュウ』

 任天堂から発売された『ポケットモンスター』シリーズは、時代が令和に移り変わった今もなお、根強い人気を誇る育成RPGゲームだ。さまざまなハードにて新作が発表され続けている本シリーズからも、“歩数計”を活用した画期的なゲーム機が登場していた。

『ポケットピカチュウ』は1998年3月27日に発売され、本日で25周年を迎える。同ゲームは『ポケモン』シリーズの“顔”ともいうべき有名キャラクター・ピカチュウとコミュニケーションを取れることがウリとなっている。

 本体はいわゆる“ピカチュウカラー”である黄色で、小さなゲームボーイのような形をしており、振動を感知することでポイントが貯まっていく。

 液晶画面のなかではドットで描かれたピカチュウが生活しており、歩数を貯める=ピカチュウとともに歩いている、という設定を楽しむことができる。この歩数はそのままピカチュウとの“親密度”にも繋がり、「ワット」というポイントとしてミニゲームなどにも活用できる。

 好感度によって変化していくピカチュウの仕草や挙動は実に多種多様で、親密になればなるほど、ピカチュウの新たな姿を見ることができる。また、時間帯によって絵本を読んでいたりテレビを見ていたりするのだが、本体を振動させることでこちらからアクションを与えることができる点など、実に芸が細かいのだ。

 当時、いわゆる“ポケモンブーム”真っ只中だったことに加え、本作が『ポケットモンスター 金・銀・クリスタル』とも連動できるという点から、爆発的なヒット商品となった。

 小売価格は2500円というお手頃価格なのも相まって、当時は各地で本作をゲットできず悔しい思いをする“ポケモントレーナー”たちが続出したのである。

 “歩く”という行為と『ポケモン』という存在を組み合わせたという点では、現代でも大流行した『ポケモンGO』のはしりとも言える作品だ。

■スライムをなじませて進化させろ!!『ドラゴンクエスト あるくんです』

 1998年にエニックス(現:スクウェア・エニックス)より発売された『ドラゴンクエスト あるくんです』は、モンスターでありながらマスコットキャラクターとしても有名なスライムを“歩く”ことで育成できる携帯ゲームだ。

 端末自体がスライムの形をしており、液晶画面のなかにいる相棒・スライムが“歩数”に連動してゲーム内のマップを進んでいく。

 本作の最大の特徴は、マップに細かく設定された“地形”ごとにスライムの“なじみ度”なるステータスが用意されており、これを一定数貯めることでスライムがさまざまな形態に変化していくというもの。

 バブルスライムやぶちスライムといった『ドラクエ』シリーズに登場するスライムがいるのはもちろんのこと、特定の組み合わせでなじませることで、いわゆる“隠しキャラ”のような形に進化させることも可能だ。

 歩数計と組み合わせたゲームでありながら、しっかりと“やり込み要素”を用意されている点にプレイヤーたちはおおいにはまり、当時はまだネット文化も発達していないなか、“隠しキャラ”の作成方法を模索し、歩き続けるプレイヤーも少なくなかった。

 歩数計というよりもゲーム性を重視したつくりになっており、作中では戦闘が発生したりと、本家『ドラクエ』さながらのバトルを繰り広げる場面も。

 その丁寧かつ味わい深いゲーム性が人気となり、1999年には後継機である『ドラゴンクエスト あるくんです2 そして、しあわせに…』が、そして2010年には『ドラゴンクエスト あるくんです リターンズ』と、更なる進化を遂げた続編が発売されている。

 スライムというキャラクターの人気だけでなく、シリーズを手掛ける開発陣の手腕がこれでもかと光る一作だ。

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