■喫茶店の懐かしのゲーム機に注文したかったカツカレー
近場にファミレスや回転寿司、ファーストフード店がほとんどなかった小学生時代、たまに親に連れて行ってもらえた近所の喫茶店ではワクワクしたものだった。
定番ともいえるクリームソーダは夢のような商品で、アイスかソーダのどちらから攻めるか非常に悩んだ。カランコロンとドアを開けた音が鳴り、タバコの煙が充満している店内で、クリームソーダは涼し気に感じたものだなあ……。
テーブルは場所によってゲーム機となっていたので、真っ平らな画面に身を乗り出しては『ギャラガ』や『パックマン』のデモプレイを眺めていた。本当にごく稀に父親が100円で遊ばせてくれたときは、その一枚の硬貨がとてつもなく嬉しかった。
喫茶店ではサンドイッチくらいしか頼まなかったが、それでも感動したものだった。しかし、当時、筆者が本当に食べたかったのはカツカレーだった。今ではどこでも食べられるものだが、カレー専門店やチェーン店などがなかった時代だ。(いや、あったとしても近くにはなかった)
カレーといえば、母親が作るバーモントカレー(当時、ハウス食品のバーモントカレーのCMに出ていた西城秀樹のファンだったらしい)が、我が家の定番だった。
そんなわけで、カツカレー自体この喫茶店で初めて知ったのだが、注文する客がいたときにめちゃくちゃ美味しそうだったのを覚えている。とはいえ、当時、ファミコンと野球盤を買ってもらえたことが最高に嬉しかったので、少し高価なカツカレーの注文はできないと子どもなりに感じていたものだ。
少しノスタルジックになってしまったな……。さて、カフェでまったり思い出に浸ったところで、子どもたちにもこの気持ちが伝わっているのかな?と思いきや、3人ともスマホやタブレットを触り続けている! くそ、コイツらはまったく話を聞いていない……。
高1の長男は「腹が減ったから回転寿司がいい」だと? オマエが腹いっぱい食べるといくらかかると思っているのか……! 中2の長女はスタバのダークモカチップフラペチーノを希望している。いったい何語だ……! タブレットを操っている幼稚園年長の次女にいたっては「わいふぁいは? てざりんぐして」と、どこで覚えたんだ……?