『ドラゴンクエストシリーズ』にはファミコン時代だからできたバグのような小ネタがあったものだ。有名なのは『ドラクエ2』に登場する「はやぶさのけん」と「はかいのつるぎ」をドッキングさせた「はかぶさのけん」だろう。これ以外にも、知っていれば得をしたファミコン時代のドラクエ小ネタ3選を振り返ってみよう。
■老いたかドン モハメ!「みずのはごろも」を2つ入手できる『ドラクエ2』
まずは『ドラクエ2』に登場する「みずのはごろも」を紹介したい。
この「みずのはごろも」は、『ドラクエ2』では主人公を含めた3人が装備できる。主人公には「ロトのよろい」を装備できるが、サマルトリア王子とムーンブルクの王女にとっては最強防具となる。なんといっても炎に耐性を持つのは大きな効果だ。ロンダルキアに挑戦する前に、なんとしても手にしたいところだろう。
このアイテムはシリーズの定番防具であり、お店で買えるのだが、『ドラクエ2』では非売品だった。手に入れるには、必須アイテムである「あまつゆのいと」と「せいなるおりき」を持って、テパの村で「きんのカギ」の扉で厳重に守られた家に住んでいる職人「ドン モハメ」のところへ行く必要がある。
とはいえ、アイテム2つを持参していないと、頑固親父の彼に冷たくあしらわれてしまうのだが……。きちんと揃えて持っていくと「わしの まけじゃ」と言って「みずのはごろも」を織ってくれることになる。ただ「ひをあらためて とりにくるがよい」と、一方的に言いつけてくるものだから、何日も宿屋に泊ってしまったものだったな……。
そして、通常は1つだけ手に入る「みずのはごろも」だが、実は2つ作れる裏技があった。
それは、もう一度「あまつゆのいと」と「せいなるおりき」を揃え、いったん「復活の呪文」でゲームを終了→再開してからドン モハメに会いに行き、1つ目の「みずのはごろも」をもらい、この時にもう一度彼に話しかけるというもの。そうすると、なぜか再び作り始めてくれるのだ。ただし3つ目はできないので、恐らくなんらかのフラグがアイテムにかけられているのだろう。
どこで手にした情報なのか、たまたま偶然できて口コミで広がったのか不明なのだが、筆者も2つ作って成功したな。1つしか作れないはずの「みずのはごろも」。間違って2つも作るなんて……老いたのか? ドン モハメ!
■4人目はちょっと可哀そう…防御しながら攻撃できる『ドラクエ3』
『ドラクエ3』で登場する小ネタとして挙げたいのが、“全員半防御の姿勢”だ。3人目まで「ぼうぎょ」を選択し、4人目からBボタンでキャンセルし、最初に戻ってまた攻撃や呪文をすると、なんと防御の効果を持ちながら攻撃できるという優れ技だ。
もちろん、攻撃だけでなくアイテムを使ったときや逃げるときにも、防御の効果が受けられる。ただし、「じゅもん」コマンドがあるキャラが先頭だと、仕様により「ぼうぎょ」コマンドが「にげる」になり、防御しながらの攻撃ができないので注意が必要だったが……。
どちらにせよ、これはありがたかった。『ドラクエ3』には、やまたのおろちやボストロール、バラモスなど強力なボスが登場する。とにかく攻撃力がある敵キャラなので、防御できるのはありがたい。とくにラスボスのゾーマはかなりの強敵だったな……。もちろん、ボス戦以外でも重宝するのは間違いないし、防御姿勢を崩さずに戦えるのは2回攻撃をしてくる相手に強力だったぞ。
うん? 待てよ? 4人目は常に自分の能力だけで戦っているので、言ってみれば生身の身体だった。さすがに可哀そうとしか言いようがない。しかも4人目は、たいてい魔法使いなど物理的なステータスが低いキャラだった。逆に死にやすくなってしまっていたな……。
4人目からしたら、ほかの仲間だけにバリアーがあるようなもの。自分だけ何もないなんて、イジメみたいじゃないか……!