■因縁のコーディネーター2人の仲良し描写

 最後に『機動戦士ガンダムSEED SUIT CD vol.1』より、キラ・ヤマトとアスラン・ザラの幼少期を紹介する。『機動戦士ガンダムSEED』本編において、2人の幼少時代は回想として少し触れられているが、このドラマCDでは、地球連合軍とザフトとして対立する前の、仲の良い2人の会話を聞くことができる。

 本作は、キラが学校のマイクロユニット製作課題をアスランに手伝ってもらう流れで、課題について「わからないわけないだろ? キラはわかるくせにちゃんとやらないだけ」とアスランに怒られるキラや、食事の用意をするキラの母を手伝うアスランなど、幼少期の2人がいかに仲が良かったかが描写されている。

 母からアスランと比較されるキラが「プログラムは僕の方が早い」と言うシーンは、『機動戦士ガンダムSEED』本編でキラがストライクガンダムのOSを書き換えるシーンを彷彿とさせる。
 ラストは、本編回想で登場する桜並木での決別シーンがキラ目線で語られるのだが、トリィの鳴き声が聞こえる中、キラを心配するアスランと、別れを惜しみ涙をこらえるキラが切ない。

 

 ガンダム作品には魅力的なキャラクターが多数存在する。彼らの過去が深掘りされることで、キャラクターの成長過程に視聴者が感情移入できるのだ。広がり続けるガンダム作品の中で、今後はどのようなキャラクターの過去や幼少期にスポットが当てられるのか、注目していきたい。

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